Raid2022/01/07

トヨタのラテガンが自身初のステージ勝利

(c)ASO/DPPI

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 トヨタGAZOOレーシングのヘンク・ラテガン(トヨタGRダカールハイラックス)はダカール・ラリーの第5ステージで自身初のステージ勝利を果たした。総合首位は、チームメイトのナッサー・アル‐アッティーヤ(トヨタGRダカールハイラックス)が2位に30分以上の差をつけてキープしている。

 南アフリカ・クロスカントリー・ラリーで3度の優勝を誇るラテガンは、オープニングセクションでドライバー側のドアが緩み、その後パンクに見舞われたが、バーレーン・レイド・エクストリームのセバスチャン・ローブ(BRXハンター)に1分58秒の差をつけてフィニッシュした。

 2番手タイムのローブから12秒遅れでオーバードライブ・レーシングのルシオ・アルバレス(トヨタ・ハイラックス)が3番手でフィニッシュ、SRTレーシングのマシュー・セラドリ(センチュリー CR6)がここまでの中で自身最高の4位となった。

 なお、序盤にラテガンと首位争いをしたステファン・ペテランセル(アウディRS Q e-tron)は、第4ウェイポイント直後にダンパーを破損したチームメイトのカルロス・サインツを助けるために、ステージ優勝と自身のサスペンションを犠牲にした。

 サインツは1時間を失って、22位へと後退、ペテランセルはアシスタントのトラックを待つことになり、さらにタイムを失い75位となっている。

 この393kmのステージは、4輪とバイクがそれぞれ分かれてSSを走行するというユニークな構成で、出走順が非常に重要となった。70km付近の柔らかい砂地のセクションに最初に轍をつけたのは車で、ここでも正確なナビゲーションが要求されることになった。

 水曜日の第4ステージで2つめのステージ勝利を飾ったアル‐アッティーヤは、木曜日の第5ステージではコースオープナーとして轍のない道を走ることになり、後方ドライバーより不利になると予想どおりにチームメイトのラテガンから5分近く遅れた7番手タイムに留まり、総合2位につけるローブに3分の差を縮められたものの、これまでのところ35分10秒のギャップを維持して総合首位となっている。

 アル‐アッティーヤは、前日、オーバードライブ・レーシングのヤジード・アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス)がペナルティでトップタイムを取り消されたことは誤算だったと認めている。

「ハイペースで走ろうとしたけど、バイクも轍もないから(木曜日は)道を開かないつもりだった」とアル‐アッティーヤは語った。「案の定、マシンのラインがなかったが、マチュー(・ボーメル)が本当によくやってくれた。最後の100kmでセブが追い上げてきた。彼はいい仕事をしたし、僕らの前に出ようとした。時々、彼がミスをして、その後に僕らがミスをして、最終的にはフィニッシュまでのドライブを一緒に分かち合い、彼の前でゴールすることができた。まだ先は長い。クレバーに、そしてどんな問題も避けていかなければならない。このコンディションで少しもたついたが、明日の走行に向けて有利なポジションを確保できるだろう」

 2位につけるローブは、1番手走行のアル‐アッティーヤがラインのないコースで素晴らしい走りをみせたため、大きくタイムを縮めることができなかったと語った。

「ステージは予想通りだった。ナッサーはバイクのない道で、ラインもなく、本当に複雑な思いで最初に走っただろう。ステージで彼を捕らえ、追い抜き合戦になったが、僕もミスしてしまい抜くことができなかった。彼のすぐ後ろからスタートして道を開けたので、大きな差をつけることはできなかった。ラリーはまだ長いので、これからが勝負だ。やるべきことに集中し、様子を見るよ」