トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームは、2025年に向けたチームラインナップを公開、マニュファクチャラータイトルの防衛とともにドライバー、コドライバー選手権のタイトル奪還を使命として、これまでより体制を拡充、各イベントには4台または5台のGRヤリスRally1で参戦する。
2024年シーズン、TGR-WRTはWRC13戦中8戦で勝利し、最終戦のラリー・ジャパンでの逆転で4年連続マニュファクチャラーズタイトルを獲得した。2025年はマニュファクチャラーズタイトルを守り、ドライバーとコドライバー選手権のタイトル奪還を使命に挑む。
チームにはフィンランド出身の若手ドライバー、サミ・パヤリが新しく加入し、トップカテゴリーでのフル参戦を開始する。パヤリは2024年シーズン、GRヤリスRally2でWRC2のドライバーチャンピオンを獲得し、Rally1カーで参戦したフィンランド、チリ、セントラル・ヨーロッパの3戦でも素晴らしいパフォーマンスを見せている。22歳のパヤリのステップアップは、TGR-WRTが注力している若手ドライバー育成の一環として、GRヤリスRally2がトップカテゴリーへの道を提供する役割を果たしているとも言える。パヤリは全てのラリーに出場する4人のドライバーのうちの1人で、新しいコドライバーは後日発表する予定となる。
2度の世界チャンピオンを獲得したカッレ・ロヴァンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンは2024年はおよそ半数のイベントへの参戦にとどまったが、参戦した7戦のうち4戦で優勝しており、来季はフル参戦に戻る。
最終戦ラリー・ジャパンで優勝したエルフィン・エバンス/スコット・マーティンは6年連続でTGR-WRTからの参戦が決定、勝田貴元/アーロン・ジョンストンも同様にTGR-WRTで挑戦を続ける。8度の世界チャンピオンであるセバスチャン・オジエとコドライバーのヴァンサン・ランデは今シーズン3勝をあげており、来年も今シーズン同様に一部のイベントにスポット参戦する。
チーム代表は、来季も引き続きヤリ-マティ・ラトバラが務める。この4シーズン、ラトバラはチーム代表として数々の勝利やチャンピオンタイトル獲得のリードをするだけでなく、クルーが信頼を置く理解者としても活躍し、パヤリのような新しい才能の発掘と育成にも貢献してきた。
また、ラトバラは、豊田会長からTGRが掲げるドライバーファーストのアプローチの一環として、これまでチーム代表としての仕事と同時に彼のドライビングへの情熱を燃やし続ける機会も与えられてきた。2023年のRally1カーでのラリー・フィンランド参戦に続き、今年はGRヤリスRally2でラリー・フィンランドに参戦をしている。この活動は来年も継続し、ラトバラはトヨタ車の中で最も成功を収めたクルマの一つであるトヨタ・セリカST185でFIAヨーロッパ・ヒストリックラリー選手権に参戦する。参戦に使用する車両にはTGRのカラーリングを施し、トヨタの過去からのWRC参加の歴史を繋ぎ、ファンの皆様とラリーへの情熱を共有する。
また、選手権参戦のためラトバラが不在になるイベントでは、4度の世界チャンピオンであり最後のタイトルをセリカST185で獲得したユハ・カンクネンが代表代行の役割を担う。カンクネンは過去数年にわたり、アンバサダーとしていくつかのイベントに参加してきたため、すでにチームとの関係も深く、自身の成功体験をドライバーや他のチームメンバーと共有し貢献してくれる準備ができています。
■TOYOTA GAZOO Racing WRT (World Rally Team)
会長:豊田章男
チーム代表:ヤリ-マティ・ラトバラ (フィンランド)
チーム代表代行:ユハ・カンクネン (フィンランド)
エルフィン・エヴァンス (UK)/スコット・マーティン (UK)
セバスチャン・オジエ (フランス) /ヴァンサン・ランデ (フランス)
カッレ・ロヴァンペラ (フィンランド) /ヨンネ・ハルットゥネン (フィンランド)
勝田貴元 (日本) /アーロン・ジョンストン (アイルランド)
サミ・パヤリ (フィンランド) /TBC
チーム代表のラトバラは次のように述べている。「2024年シーズンはチームにとって新しいチャレンジの年でしたが、私たちはハイレベルなパフォーマンスを維持し、最終戦の最終日まで戦い続け、マニュファクチャラーズタイトルを無事守ることができました。そして2025年、ここ数年一緒に戦ってきた強いドライバーたちと再びチームを組めることをとてもうれしく思っています。来年はカッレもフル参戦に戻り、ラインナップをさらに強化してくれます。また、若手育成の一環として、サミ・パヤリをメンバーに迎え入れることができるのも素晴らしいことです。サミは今年著しい成長を遂げ、私たちは彼がトップカテゴリーにステップアップする準備ができていると自信を持っています。個人的には、チーム代表の役割と、伝説のトヨタ・セリカでのドライブへの情熱を同時に遂行する機会を与えていただきとても興奮しています。そして、ユハ・カンクネンがチーム代表代行として、私やチームをWRCイベントでサポートしてくれることを非常にうれしく思っています。彼はチームをよく知っていますし、豊富な経験を共有してくれます」
チーム代表代行を務めるカンクネンは、素晴らしいチームをサポートできる機会をうれしく思うと語っている。
「この役割を担うことができ、大変うれしく思っています。現役時代、様々なチームで走りましたが、トヨタとは合計で9年間一緒に戦いました。トヨタはWRCでのチャンスを与えてくれた最初のメーカーであり、おそらく世界の中でも最高のチームだと思っています。素晴らしいメンバーがいて、ヨーロッパと日本の協力体制も素晴らしいです。このチームスピリットとチームワークは非常に重要で、皆が共に努力をしています。私は豊田会長とも良好な関係を築いており、ここ数年、イベントでのデモランなどで一緒にドライブをしてきました。もちろんヤリ-マティとも良い関係です。彼はとても話しやすく素晴らしい人です。彼らとより密に協力し、チームをサポートできることをとてもうれしく思っています」