WRC2023/01/26

トヨタ社長交代へ、豊田社長は4月から会長就任

(c)Toyota

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 トヨタ自動車(株)は木曜日、4月1日付けで豊田章男社長が会長に就任し、佐藤恒治執行役員が新しい社長に就任することを発表した。

 豊田社長は2009年6月にトヨタ自動車社長に就任、リーマンショックやリコール問題、さらには東日本大震災といった会社存亡の危機のなかで会社を立て直すとともに、構造改革を推進するとともに、いいクルマづくりのために世界ラリー選手権などモータースポーツへ全力を挙げて取り組んできた。

 豊田社長は、社長交代の背景について次のように説明している。

「この人事は、内山田会長が退任されるため、トヨタの変革をさらに進めるため、私が会長になり、新社長をサポートするほうが良いと考え、今回の決断に至りました」

 豊田社長は社長に就任直後から会社存続の危機があり、もっといいクルマをつくるために必死になってきた13年間だったと振り返った。

「危機に陥ったとき、短期的な成功を狙う道ではなく、自分たちに強さをもたらした本質・思想に立ち直る道を私は選びました。それはもっといいクルマをつくりに取り組む道でした。時間はかかりましたが、グローバル・トヨタの36万人の社員がもっといいクルマづくりに取り組んだ結果、商品も大きく変わりました。クラウンやカローラが息を吹き返し、86やスープらといったスポーツカーも復活しました。そして、この13年間でバトンタッチするための土台はつくれたと思います」

 新社長に就任する佐藤執行役員は、1969年10月19日生まれの53歳。1992年にトヨタ自動車に入社、2020年1月からレクサスやGAZOOレーシング・カンパニーのプレジデントに就任している。

 豊田社長は、新社長について、「佐藤を新社長に任命したのは、トヨタの思想、技、所作を身につけようとクルマづくりの現場で必死に努力をしてきた人だからです。トヨタのトップに立つ人はその体現者であってほしいと考えてきました。そして、もうひとつはクルマが大好きだから、そして若さです」

「佐藤新社長には一人で経営しようとせず、チームで経営してほしいと伝えてあります。この13年で育ててきた人材、多くの仲間が育っています。未来をつくるためにはイノベーションが不可欠です。私はイノベーションは多様な個性が同じ目的で前に向かったときに生まれると思っています。私は、佐藤新社長を軸とするチームのミッションは、トヨタをモビリティ・カンパニーにフルモデルチェンジすることです。若さと新チームならそれが可能であり、私は次世代がつくる未来に賭けてみたい」