WRC2020/09/18

トルコのシェイクダウンでヒュンダイが1-2

(c)Hyundai

(c)Toyota

 2020年世界ラリー選手権第5戦マルマリス・ラリー・トルコのシェイクダウンが18日に行われ、ヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)が3分23.4秒のトップタイムをマーク、1.2秒差の2番手にはチームメイトのオイット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)が続き、前戦ラリー・エストニアの総合結果のようにヒュンダイが1-2を占めてトヨタ勢を抑えるペースをみせている。

 ラリー・トルコのシェイクダウンは、3年連続してマルマリスの西に位置する4.70kmのデイルメンヤヌ・ステージで金曜日の朝9時から行われた。ラリー・トルコを象徴すると言われるこのステージには、鋭く尖った石が無数に転がっており、曲がりくねったブラインドコーナーが連続している。

 1回目の走行ではカッレ・ロヴァンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)が3分27.2秒の最速タイムをマーク、ヌーヴィルが0.9秒差の2番手タイム、選手権リーダーとして1番手でコースインしたセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)が1.5秒差の3番手タイムというまずまずな速さで続くことになった。

 シェイクダウンの2回目の走行では、タナクが3分24.6秒で暫定トップに浮上、ロヴァンペラがふたたび速さをみせて0.2秒差の2番手タイム、エルフィン・エヴァンス(トヨタ・ヤリスWRC)が0.3秒差、オジエが0.5秒差で続き、タナクが3台のトヨタを抑えることになった。

 荒れたコンディションとなった3回目の走行では多くのドライバーがシェイクダウンの義務を果たすためにリスクを避けてペースを落とすことになったが、ヌーヴィルがただひとりだけ果敢にペースをアップし、それまでのタナクのタイムを1.2秒上回るシェイクダウンの最速タイムを奪うことになった。

 ヌーヴィルは2回目の走行ではサスペンションに異変を感じてサービスへと戻ったが、3回目の走行で何も問題がなかったことが確認されたと自信をみせており、前戦エストニアのリタイアによって選手権で遅れをとってしまっただけに負けられない週末となる。

「信じられないほどの荒れたステージだ。シェイクダウンはすでに非常にハードだったが、僕らは生き残り、いくつかの良いセッティングを見つけることができた。いいラリーをスタートさせるためには、今夜のステージをいい走りをしっかりと見せなければならない」とヌーヴィルは語っている。

 タナクから0.2秒差の3番手にはトヨタ勢で最速タイムをマークしたロヴァンペラが続いている。「タイムはそれほど重要ではないことは分かっているが、安定したペースでトラブルを起こさないようにしなければならない」とロヴァンペラは語っている。

 若きチームメイトから0.1秒差の4番手にはエヴァンスが続き、さらに0.2秒差でオジエがシェイクダウンの5番手タイムだ。今夜はわずか2SS/25.22kmにすぎないが、この日の順位のリバースで明日の土曜日をスタートすることになるため、コースオープナーとして今夜のステージに臨む彼にとっては路面に大量のグラベルが覆っているシェイクダウンで一番手で走ってどれだけタイムを失うか気になったところだろう。

「いつものように荒れていて、毎年ここは石が多いのが特徴だ。トルコにむけてギリシャでのテストではいくつか進歩があったし、マシンのフィーリングも良かったので、それが何をもたらすのか楽しみだ。しかし、世界最高のマシンを持っていても、最初に道路を走っていたらタイムを出すことはできない。土曜日にいいポジションでスタートするためには今夜のステージでいいタイムを出す必要がある。これが僕らにとっての最初のチャレンジになる」とオジエは語っていた。

 セバスチャン・ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC)はオジエから1.9秒遅れの6番手タイムに留まっている。「マシンは順調だが、フィーリングを得ようとしている」と、1月のラリー・モンテカルロ以来の参戦のためペースに苦戦していることを認めながらも彼はタイムには満足している様子だった。

 Mスポーツ・フォードのテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)が7番手で続き、ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)は最初の走行で3番目のタイムをマークしたが、2回目の走行ではパンク、さらに3回目の走行で横転してマシンをディッチに落としている。

 また、ヒュンダイ2CコンペティションでWRカー2戦目を迎えるピエール-ルイ・ルーベ(ヒュンダイi20クーペWRC)が10番手タイム、エサペッカ・ラッピ(フォード・フィエスタWRC)はなかなかペースが掴めず彼のみ4回の走行を行ったが、11番手タイムにとどまっている。

 ラリー・トルコはこのあと現地の16時15分からマルマリス港でのスタートセレモニーで3日間の戦いがスタート、オープニングステージとなるSS1イチメレルは17時08分(日本時間23時08分)のスタートが予定されている。