WRC2018/10/25

ヌーヴィル、シェイクダウンで横転

(c)Michelin

(c)Citroen

 世界ラリー選手権(WRC)第12戦ラリー・デ・エスパーニャのシェイクダウンは、選手権リーダーのティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)が横転するという波乱の幕開けとなり、Mスポーツ・ワールドラリーチームのセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が3回目の走行で1分34.9秒のトップタイムを叩きだしている。

 スペインのシェイクダウンは、木曜日の朝8時からサロウのサービスパーク近郊に設けられた2.00kmの特設ステージで行われた。グラベルとターマックのミックス路面をもつこのステージは例年使用されているものだが、今年は1km近くも短縮されている。

 ラリー本番のステージとキャラクターが異なり、グラベルセクションの路面が柔らかくてバンピーであることから、スペインのシェイクダウンはドライバーにとって不評になっているが、ヌーヴィルは2回目の走行において右コーナーのイン側のバンプでインリフトしてしまい、そのままゆっくりとマシンを横転させることになってしまった。このアクシデントでステージは中断、ヌーヴィルのマシンはローダーでサービスに戻されてフロントの左右フェンダーやボンネット、フロントガラスが外され、ダメージの修理が行われることになった。

 ヌーヴィルはシェイクダウンを2回の走行で終えることになったが、彼は夕方にバルセロナで行われるオープニングステージまでにはマシンの準備ができているはずだと楽観的に語っている。

「イン側に小さなバンプを持つ右の直角コーナーだった。僕はバンプに乗り上げて、マシンは片側の2輪でリフトした状態になり、なんとかそれを修正しようとしたが、十分ではなくロールしてしまった。サービスでは今、必死の作業が行われており、夕方のバルセロナのステージには準備ができているはずだ」

「数年前のドイツでもシェイクダウンでオフしてしまい、ラリーに勝利したことがあるので、これが良い予兆であると思いたいね。今週末が同じ様なシナリオになると祈っているよ!」

 ヌーヴィルの選手権におけるライバルであるオジエが2回目の走行に続いて3回目の走行でもベストタイムを奪い、シェイクダウンをトップで終えることになった。

「重要な週末になるね。ここのステージはバンピーなグラベルとターマックの難しいコンディションなので明日以降が勝負になる。明日も新しいセクションがあるし、土曜日のターマックは悪天になるとの情報だ。そうなるとトリッキーになるが、それもラリーだよ」とオジエは冷静にコメントしている。

 0.3秒差の2番手にはトヨタのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)、さらに0.5秒差の3番手にはMスポーツ・フォードのテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)が続いている。

 今季3度目の参戦で注目されるセバスチャン・ローブ(シトロエンC3 WRC)はヌーヴィルが横転したコーナーで同じようにインリフトさせてしまい、横転を寸前で回避、シェイクダウンは4番手となっている。

 シェクダウンの5-6番手には、エサペッカ・ラッピとオイット・タナクの2台のヤリスWRCが続き、1回目の走行でトップタイムを奪ったクレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)は、2回目にはパンクによってタイムを上げられず、シェイクダウンを7位で終えている。

■シェイクダウンタイム
1. S.オジエ 1分34.9秒
2. J-M.ラトバラ 1分35.1秒
3. T.スニネン 1分35.7秒
4. S.ローブ 1分36.0秒
5. E.ラッピ 1分36.1秒
6. O.タナク 1分36.2秒
7. C.ブリーン 1分36.4秒
8. D.ソルド 1分36.5秒
9. E.エヴァンス 1分36.8秒
10. K.ブロック 1分38.7秒
11. A.ミケルセン 1分39.3秒
12. T.ヌーヴィル 1分39.5秒