WORLDWIDE2025/09/29

ヌーヴィル、母国でセントラル・ヨーロッパの準備

(c) Belgian Rally Championship

(c) Belgian Rally Championship

 ティエリー・ヌーヴィルは先週末、ベルギー・ラリー選手権の第6戦となるイースト・ベルギー・ラリーに出場するため、世界チャンピオンとして母国のベルギーに帰還した。彼が生まれた町であるザンクト・フィートで行われるこのイベントに、彼はコドライバーのマルテイン・ウィダーゲとともにヒョンデi20 N Rally1で出場、10月16日から19日までチェコ、オーストリア、ドイツで開催されるWRC選手権次戦、セントラル・ヨーロッパ・ラリーに向けて万全の準備を整えることになった。

 2022年のスパ・ラリーでBMW M3を駆って以来、ベルギーで走っていなかったヌーヴィルは、大雨によってウェットコンディションとなった母国のステージでセントラル・ヨーロッパのためのウォームアップを行っている。

 ヒョンデは、セントラル・ヨーロッパ・ラリーには旧スペックのi20 N Rally1に戻して参戦することを検討しているとの噂どおりに、金曜日にはザンクト・フィートの近隣でオイット・タナクが2025年の最新仕様のマシンと2024年仕様のマシンの2台を同時に比較するテストを行っていたことが明らかとなっている。
 
 ヌーヴィルはその翌日に行われたイースト・ベルギー・ラリーには、2025年仕様のサスペンションをもつi20 N Rally1だったことが確認されている。

「地元で開催されるこのラリーに参加できるのはいつも嬉しい。東ベルギーでは2014年以来走っていなかったので、懐かしい思い出が蘇ってきた。隅々まで熟知しているこの道を走るのはこれ以上ない楽しい経験だった」とヌーヴィルは語っている。

「しかし何よりも、セントラル・ヨーロッパ・ラリーに向けて、マシンの改良と最適なセッティングを見つけることが重要だった。より多くの時間をマシンで過ごせたので、本番に活かすことができたらうれしいよ」

 ヌーヴィルは、すでに自身のタイトル防衛のための戦いは終わったと認めつつも、セントラル・ヨーロッパ・ラリーに向けて最適なセットアップを見つけることが重要だったと語った。

「シーズン開幕以来、ヒョンデはトヨタに苦戦しており、とくにターマックでは遅れをとっていることが分かっている。だからこそ、この苦戦の根本原因を突き止め、改善策を模索するために、あらゆる機会を逃さず取り組む必要がある。今週末、ザンクト・フィートで走るのは、この点に焦点を当て、3週間後にドイツ南東部で開催されるセントラル・ヨーロッパ・ラリーに向けて万全の準備を整えるためだ」

 イースト・ベルギー・ラリーのための金曜日のシェイクダウンは大雨のなかで走り、ラリー本番は雨上がりのほぼドライコンディションのなかで行われたが、インカットでかき出された泥でコーナーは汚れ、セントラル・ヨーロッパ・ラリーのコンディションに似通ったものになったように見える。

「天候は変わりやすいものの、セントラル・ヨーロッパでもほぼ同様のコンディションになると思う」とヌーヴィルは、イースト・ベルギー・ラリーのスタートを前に語っていた。

「シェイクダウン中は雨が降ったが、土曜日はドライでのスタートになった。このようなコンディションで走行できるのは良いことだ。非常に良いテストセッションになるよ。セントラル・ヨーロッパに向けて、興味深い知見が得られるだろう。パフォーマンスを向上させるには、まだまだ進歩の余地があると分かっているからだ」
 
 ヌーヴィルは選手権では残り3戦で58ポイント差の5位にとどまっており、タイトル防衛への期待に応えることは現実的に絶望的な状況となったと認めている。

「今シーズンは非常に厳しいものとなった。タイヤメーカーの変更も全くプラスには働かなかった。シーズン序盤からパンクが頻発し、多くの問題を抱えた。昨シーズン、さらにはそれ以前のシーズンと比べても、その数は倍以上だ。そして何よりも、大きく進歩したトヨタと比べて、マシンのパフォーマンスが不足している。昨年はチャンピオンを狙っていたが、今年はチームメイトのオイット・タナックと共に4位と5位を争っている。このことが全てを物語っている」
 
 ヌーヴィルのタイトル防衛は絶望的となったものの、それでも彼はこの困難なシーズンを前向きに終えたいと願っている。

「もちろん、それが目標だ。そのためにも勝利を掴みたいんだ。例年は年間少なくとも2勝はしているが、今シーズンは1勝もできていない。これは、より速く走るために何が欠けているかを見つけるのがいかに難しかったかを示している。しかし、僕は希望を抱いているし、再び勝利を獲得するために全力を尽くす」

 ヌーヴィルはイースト・ベルギー・ラリーの全12ステージを制覇したが、ベルギー選手権での総合優勝はセドリック・シェラン(ポルシェ 992 ラリーGT)に与えられている。