WRC2024/08/02

ヌーヴィルがフィンランドをリード、勝田が2番手

(c)Hyundai

(c)Toyota

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 2024年世界ラリー選手権(WRC)第9戦ラリー・フィンランドが8月1日木曜日に開幕、ユヴァスキュラ市街地で行われたオープニングステージでトップタイムを奪ったティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデi20 N Rally1)がラリーをリード、勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)が1.1秒差の2番手で続いている。

 ラリー・フィンランドのサービスパークがおかれるユヴァスキュラでは昼過ぎから雨が落ち始め、注目のドライバーやチーム代表による記者会見が行われるころには土砂降りの雨となり、ドライバーたちはステージの様子が気がかりなのか空を見上げているシーンも見られた。

 フィンランドの夏は一日が長く、日没は22時すぎだ。そのためオープニング・ステージのSS1ハルユ・ステージは現地時間の19時スタートとはいえ、まだ明るいなかでリバースでのスタートを迎えている。

 ターマックとグラベルのミックス路面をもつ3.48kmのハルユ・ステージは、雨上がりのためターマックは少しずつ乾きだしているが、公園内のグラベルセクションは水を含んだグラベルが滑りやすくなっている。

 ここでトップタイムを奪ってスタートしたのはヌーヴィルだ。天気予報は明日以降も雨が降ると伝えており、道路のルーズグラベルが湿って引き締まることになれば彼にとっては良いスタートとなるかもしれない。「いいスタートが切れたけど、本番は明日だ。今朝のシェイクダウンは難しく、マシンにいくつか問題があった。明日はすべてがうまくいくことを願っている」

 ほとんどのドライバーがスペアを1本搭載したものの、ヌーヴィルはスペアなしの戦略でこのステージに向かっている。

 勝田は昨年フィンランドで表彰台を獲得しており、今年こそ優勝争いにからみたいところだろう。ユヴァスキュラに住んで7年になる彼は、この公園を使ったステージでは地元の知識が役に立ったとジョークを飛ばした。「カッレと僕は地元の人間だから、すべてのコーナー、すべてのカット、すべてのステップを知っている。ダブルチェックしただけだ!」

 勝田から0.2秒差の3位にオイット・タナク(ヒョンデi20 N Rally1)、彼から0.1秒遅れでセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリスRally1)、さらに0.2秒差の5番手タイムでカッレ・ロヴァンペラ(トヨタGRヤリスRally1)が続く。

 ロヴァンペラは雨上がりのオープニングSSは安全に走り切ることが重要だったと語っている。「正直なところ、ここはトリッキーなステージだし、ところどころ狭く感じた。このように湿っているときは、とにかくこのステージを安全にクリアしたかった。明日からラリーが始まる。明日からが大事なんだ」

 トップから3秒遅れの6位にはアドリアン・フールモー(フォード・プーマRally1)、7位にはエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 N Rally1)が続いている。シェイクダウンのトップタイムだったラッピは、チームメイトのヌーヴィル同様にスペアをもたないで果敢に挑んだが、グラベルが出ていた坂の上の右コーナーでリヤを大きくふりだして広告バナーを吹き飛ばしたが、大きなダメージもなく走りきっている。

「浮いたグラベルがあるとは思っていなかった」とラッピはミスを説明した。「ラッキーだったのは、出口がオープンだったことをレッキで確認したことだ。わざとではなかったけれど、このコーナーを攻めようとしたのはバカだった」

 母国でのRally1カーデビューを迎えたサミ・パヤリ(トヨタGRヤリスRally1)は9番手タイムで発進。エルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)には1.4秒及ばなかったが、グレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマRally1)には3.6秒差をつけている。

「とても特別な瞬間だ。ここハルユのステージはいつもいい雰囲気だけど、雨のあとのコンディションで、500馬力もあるパワーのせいでどれだけ楽しめたかわからないよ」とパヤリは笑みをみせている。

 ラリー・フィンランドは金曜日から森林ステージへと舞台を移して本格的な競技がスタートする。オープニングステージのラウカーは現地時間8時13 分(日本時間14時13 分)のスタートが予定されている。朝から小雨が降るとの情報だ。