ERC2024/10/14

パッドンがERC連覇、マベリーニが初優勝

(c)RedBull Content Pool

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 FIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)最終戦のラリー・シレジアは、逆転でチームMRFタイヤのアンドレア・マベリーニ(シュコダ・ファビアRS Rally2)がERC初優勝を飾り、3位でのフィニッシュを迎えたBRCレーシング・チームのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 N Rally2)が2年連続タイトルを獲得することになった。

 ラリー・シレジアの最終日は、3位につけていたチームMRF タイヤのシモーネ・テンペスティーニ(シュコダ・ファビアRS Rally2)はオープニングステージの序盤で高速走行中にコースアウトしてリタイアするという波乱のなか、マベリーニの素晴らしい速さとともに始まることになった。

 先月のラリー・ケレディギオンでERC初表彰台を獲得したばかりのマベリーニは、首位のパッドンから6.8秒遅れの2位で日曜日を迎えたが、オープニングステージでパッドンに5.3秒差まで迫ることになった。パッドンはSS10で反撃したものの、雨に見舞われたSS11ではソフトコンパウンドのドライタイヤとウェットタイヤをクロスに装着したマベリーニはパッドンを8.0秒上回るペースをみせて、1.6秒差をつけてERCイベントで初めてリードを奪うことになった。

 マベリーニはSS12でリードを3.3秒へと拡大、パッドンはウェットコンディションとなったSS13でハーフスピンし、オーバーシュートしたことに続くものだ。

「2つめのコーナーでラインを外れてバンクにつかまってしまったんだ。リバースギヤで後退してまた走り始めることができたが、さらに数キロ先のジャンクションでバリアを突き抜け、道を下って回り込んで戻ってこなければならなかった。1ステージでこれほど冒険したことはなかったので、おそらく20秒以上遅れたと思います。難しいコンディションで、どうにかゴールできたよ」と、パッドンは声を弾ませて冒険を笑ったが、ここでマベリーニとの差は12.1秒へと拡大してしまう。

 残されたのは11.87kmの最終ステージ、マベリーニはゴール間際にバリアに近づきそうになったにもかかわらず、どうにかマシンを立て直して初優勝を飾ることになった。「最高の気分だよ。最後の11kmは人生で最も長いkmでした。皆さんに感謝します。信じられない旅でした」と、今シーズン8人目の優勝者となった25歳のマベリーニは語った。

「昨年はRally5からスタートし、その後Rally4、Rally2で参戦した。本当に幸せです。 「まずはヴィルジ(コドライバーのレンツィ・ヴィルジニア)に感謝したい。彼女はいつも僕の話を聞いてくれて、いつも車の中で最高の気分にさせてくれた。スポンサーの皆さん、チームの皆さん、そして特に最初から僕とヴィルジを信じてくれたMRFタイヤに感謝したいよ」

 パッドンは優勝のチャンスをなくした以降、もはや最終ステージでは攻めることもなく、着実にタイトルを決めるために大きくペースダウン、2位をジョン・アームストロング(フォード・フィエスタRally2)に譲って3位でフィニッシュすることになったが、2年連続のタイトルをニュージーランドへと持ち帰ることになった。

「激しい優勝争いに巻き込まれてタイトルを逃すつもりはなかったよ。ただマシンをゴールに持ち帰るだけだった。自分がここにいる目的は分かっていたし、僕らにとってタイトルは非常に重要だった。このために1年中努力してきたから、とてもうれしいよ」とパッドンは喜びを語った。「パフォーマンス不足でシーズンの大半は窮地に追い込まれていたが、チームはそれを取り戻すために懸命に取り組み、ここ数回のラリーで取り戻すことができた。素晴らしいシーズンになったよ、僕らを支えてきてくれたみんなにありがとうを言いたい」

 ラリー・シレジアの最終日に驚異的な速さをみせたのは、モータースポーツ・アイルランド・ラリーアカデミーのサポートを受けるジョン・アームストロング(フォード・フィエスタRally2)だ。

 彼は金曜日のSS2でパワーを失う問題で14位へと後退、その後もコースオフやスピンでタイムを失う場面もあったが、2 つのベストタイムを奪って7位で最終日を迎えていた。雨で難しいコンディションになったにもかかわらず、アームストロングは6つのステージのうちパワーステージを含む 5つのステージでベストタイムを叩き出し、パッドンを 1.5 秒差で破って2位でフィニッシュ、ERC初表彰台を飾ることになった。

「素晴らしいフィーリングだ。感極まらないわけにはいかない。僕らは本当に頑張ってきたし、ペースを出せるのがわかってうれしいよ」とアームストロングは笑みをみせた。「ましてや地元のミコ(=ミコワイ・マルツィック)を後ろに抑えてのゴールだからね。いいことだし、それが僕らの目標だった。僕たちを応援してくれたみんなに感謝する。Mスポーツとモータースポーツ・アイルランド・ラリー・アカデミーに乾杯だ」

 地元ポーランドの英雄ミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRS Rally2)は4位でフィニッシュ、ドライバーズ選手権3位を獲得することになった

 また、逆転タイトルの可能性をもって最終戦に臨んだAMDモータースポーツのマティユー・フランセスキ(シュコダ・ファビアRS Rally2)は5位でフィニッシュすることになり、選手権ではパッドンに続いて2位となっている。