WRC2024/06/06

パヤリ、ラトビアでGRヤリスRally1参戦が決定

(c)Toyota

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、才能あるフィンランド人若手ドライバー、サミ・パヤリ選手に世界ラリー選手権のトップカテゴリーに参戦するチャンスを提供することを決定、パヤリは7月に開催されるWRC第8戦ラリー・ラトビアに、GRヤリスRally1ハイブリッドでトップカテゴリーに初挑戦する。

 ラリー・ラトビアは2024年に新しくWRCのカレンダーに加わった高速のグラベルラリーで、パヤリとコドライバーのエンニ・マルコネンは、TGR-WRTのレギュラーメンバーである3クルーと共に、4台目として参加する。

 パヤリはフィンランド出身の22歳。現在、ラリー界で最も楽しみな、才能ある若手ドライバーの一人として注目されている。2021年には、世界中から才能ある若手ドライバーが集まるジュニアWRC選手権で史上最年少チャンピオンに輝き、2023年はラリー・フィンランドでWRC2カテゴリー初優勝を果たしています。

 2024年は、TGRの新しいRally2車両、GR Yaris Rally2で、競争の激しいハイレベルなWRC2選手権に参戦しており、どのような路面でも上位を争えるスピードを見せてきた。また、エンジニアへの有効なフィードバックにおいても高い評価を得ている。先週末に行われたラリー・イタリア・サルディニアではWRC2優勝、総合6位という成績を収め、さらに勢いを見せている。

 チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは次のようにコメントしている。

「TGRでは2015年のTGR WRCチャレンジプログラム設立以来、日本人若手ドライバーの育成を行っているが、私たちはそれと同時に、WRCのサポートカテゴリーを戦っている有力な若手ドライバーにも注目している。今年、サミ・パヤリはGR Yaris Rally2で素晴らしいパフォーマンスを発揮しており、Rally1車両で彼の持つポテンシャルを見てみたいということになった。ちょうど先週末のサルディニアでも、彼はさらに良い結果を出し、大きなステップを踏み出した。彼はただ速いだけでなく、エンジニアへのフィードバックを通して、我々のもっといいクルマづくりにも貢献してくれている。ラリー・ラトビアは高速で流れるようなラリーで、ラリー・フィンランドに似ている。彼はバルト地域の道を得意としていますし、ラトビアは彼に合うと思っている。また、このような高速の道ではRally1車両の空力がどのように機能しているかを感じやすく、理解が深まるはずだ。サミとエンニが良い経験をし、クルマについて学び、ステップアップをしてくれることを願っている」

 パヤリは、Rally1カーのデビューのチャンスを与えられたことを本当にうれしく思っていると語っている。

「TGRからこのような機会をいただき本当にうれしいよ。トップカテゴリーで戦うことは、僕が何年も目指してきたことだが、シートが限られている中で、チャンスが巡ってくることはなかなかないことだ。学ぶべきことが多く、僕にとって非常に大きなチャレンジだし、トップレベルのスピードが非常に速いこともわかっている。結果を気にしすぎたり、プレッシャーを感じすぎず、楽しんで、将来に向けてできる限り経験を積みたいと考えている」

「ラトビアは、僕がフィンランドで慣れているような、高速で流れるようなステージがほとんどだし、どの選手にとっても新しいイベントなので、そういう意味ではトップドライバーたちと同じところからのスタートとも言える。ラトビアで良いパフォーマンスができれば、将来の良いことに繋がるかもしれないという期待もあるが、それは後から考えることであって、まずは今回のラリーに集中し、楽しみたいと思う」