WRC2024/06/23

パラグアイ、2025年にWRC初開催へ

(c)WRC Promoter

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 南米のパラグアイが、2025年にWRCカレンダーに加わることが明らかとなった。パラグアイでのWRC開催はこれが初となり、ワールドモータースポーツカウンシルの承認を待って38番目のWRC開催国が正式に誕生することとなる。

 この発表は、土曜日の夕方、パラグアイの首都アスンシオンで開催されたパラグアイ・ラリー選手権第3戦ペトロブラス・ラリー・トランスチャコ2024のセレモニアル・スタートにおいて、パラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領(写真左)によって行われた。

「パラグアイは大きく、世界は我々を発見する過程にある。WRCのようなワールドクラスのイベントを開催することは、パラグアイの偉大さを世界に示す新たな方法となる」とペニャ大統領は述べた。

 パラグアイはWRCプロモーターと複数年契約を結んでおり、南米で毎年2つのイベントを復活させたいというWRCプロモーターの長年の野心を実現するものだ。

 パラグアイは、南米の中心部で盛んなラリーの伝統を誇る国である。パラグアイ出身のドライバーとして、グスタボ・サバは2010年代を通じてWRCのアルゼンチンラウンドの常連であり、最近ではファブリツィオ・ザルディヴァールがWRC2に参戦し、ディエゴ・ドミンゲスはジュニアWRCとWRC3のタイトル候補に名を連ねている。FIAコダスール南米ラリー選手権でも、過去11回はパラグアイ人ドライバーがタイトルに輝いている。

 WRCプロモーターは、ラリーの未来に向けてより持続可能な道筋を作るという積極的なアプローチをとっており、パラグアイがWRCカレンダーに加わることに大きな役割を果たした。パラグアイは、送電網の電力の100%を持続可能な資源でまかなっており、すべてのマシンが100%化石燃料を使用しないというWRCの持続可能な理念と呼応している。

 WRCのシニア・イベント・ディレクターであるサイモン・ラーキン(写真右)は、次のように述べている。「パラグアイとは何年も前から協議を続けてきたが、今回の合意に至ったことを大変うれしく思う。パラグアイのラリーに対する情熱は疑う余地がなく、この情熱とパラグアイの壮大な景観を世界中に発信することが待ち遠しい」

 FIAのモハメド・ベン・スライエム会長は次のように述べた。「2025年にパラグアイをFIA世界ラリー選手権に迎えることは、シリーズとそのすべての関係者にとって、新たな地平を切り開く素晴らしい機会です。パラグアイというスポーツを発展させるために尽力してくれた私の友人であるツーリング・オートモビル・クラブ・パラグアイのウーゴ・R・メルサン・ガリ会長と彼のチーム、ラリー・パラグアイの主催者、そして貴重な支援をしてくれたパラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領に心から感謝したい」

 ラリー・パラグアイはパラナ川に面した南部の観光都市エンカルナシオンを拠点としており、国境を越えたアルゼンチンや南米大陸から大勢のファンを迎える予定だ。ステージは、FIAコダスール南米ラリー選手権のラウンドが毎年開催されるイタプーア地域一帯で、壮大なパラナ川と並行して走る赤いグラベル・ロードで行われる。