WRC2020/01/29

ヒュンダイ、5人のジュニアドライバー支援を発表

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツは28日、昨年、TCRで成功を収めたヒュンダイ・カスタマーレーシング部門による若手ドライバーのための育成プログラムである「ヒュンダイ・カスタマーレーシング・ジュニア・ドライバー・イニシアチブ」をラリーでも展開することを明らかにするとともに、5人のジュニア・ドライバーを発表した。
 
 ヒュンダイはすでに今季のWRC2選手権にヒュンダイ・モータースポーツNからニコライ・グリアジンとオーレ・クリスチャン・ヴェイビーを参戦させており、この2人に加えて新たに、昨年のWRC2(元WRC3)チャンピオンのピエール-ルイ・ルベー、アイルランド出身のカルム・デヴァイン、ルクセンブルグ出身のグレゴワール・ムンスターについてもジュニア・ドライバーとしてヒュンダイモータースポーツカスタマーレーシング部門がサポートを行うことを発表した。

 ヒュンダイはルベーのプログラムについてはまだオフィシャルには発表していないものの、彼はこの5人のヒュンダイのジュニア・ドライバー・プログラムを牽引する形でヒュンダイi20クーペWRCでトップカテゴリーにステップアップすることになる(別記事参照)。

 グリアジンとヴェイビーはヒュンダイのWRC2プログラムのオフィシャルチームのドライバーとして、ヒュンダイi20 R5’20を駆って開幕戦モンテカルロから参戦を開始しており、グリアジンは初のモンテカルロ出場でWRC2の3位でフィニッシュ、ヴェイビーはパンクをするまでWRC2をリードしており、2位でのフィニッシュを目前にして最終日のクラッシュでリタイアとなっている。

 デヴァインは、モータースポーツ・アイルランドの支援で、R5マシンで初参戦した昨年のERCハンガリーで3位に入ったことが注目され、ムンスターは2年連続でベルギー・ジュニア選手権を制している。二人についてはドライバーとしてのキャリアを国内選手権や地域選手権レベルからWRCレベルにステップアップできるようエンジニアリングやドライビングについても専門的なサポートを行うとしている。

「ヒュンダイ・カスタマーレーシング・ジュニア・ドライバー・イニシアチブは昨年、サーキットのレースで大成功を収めており、2020年にその流れをラリーにも拡大することは当然のことだ」とヒュンダイ・モータースポーツのチームディレクターを務めるアンドレア・アダモは語った。

「5人の素晴らしい才能のある若者たちはすでにそれぞれのレベルでキャリアを積んで速さをみせている。R5マシンの経験のあるドライバーやこのカテゴリーにまだ比較的慣れていないドライバーもいるが、彼らはジュニア・ドライバー・プログラムによって提供されるサポートを受け、お互いにレベルを高め合い、世界ラリー選手権の頂点に向けて素晴らしい進歩を続けることができると確信している」