2024年世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・ポーランドのシェイクダウンで、ヒョンデ・モータースポーツのオイット・タナク(ヒョンデi20 N Rally1)が2分12.5秒のトップタイムをマーク、1.1秒差の2番手タイムにはチームメイトのティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデi20 N Rally1)が続くことになった。
7年ぶりにWRCに帰ってきたポーランドは、木曜日の朝にルビエヴォ・ステージで行われたシェイクダウンとともに始まった。ルビエヴォ・ステージは、ミコワイキに置かれるサービスパークにも近く、5.10kmの狭い高速グラベルとターマックのミックス路面で行われた。
シェイクダウンの1回目の走行から2分20.7秒の暫定トップタイムを刻んだのは、前戦のラリー・イタリア・サルディニアで今季初優勝を飾って勢いに乗るタナクだ。彼は、2回目の走行でも自身のタイムを6.7秒も縮めてトップを維持、さらに3回目の走行でも1.5秒を縮めて2分12.5秒の最速タイムを奪い、本番に向けていい仕上がりであることを示すことになった。
タナクは2016年ポーランドでは最終日のパンクでキャリア初優勝を逃しており、2017年も最終日にサスペンションを壊してリタイアするまでラリーをリードしていた。彼は今度こそこのイベントでの勝利に期待していると語っている。
「このラリーはとても好きだが、これまで一度も勝つことができなかった。戦いたい目標ではあるが、週末に期待しよう」とタナクは語っている。
「この先、高速でとても厳しいラリーになるだろう。いい下見ができたといいのだけれど、とにかくそれがこのラリーでの重要なところだ」。
選手権リーダーのヌーヴィルは、1回目の走行でわずかにはらんでストローベールに右リヤをヒット、フェンダーにダメージを負ったが、3回の走行を行い、チームメイトから1.1秒遅れの2番手タイムで続くことになった。「ちょっとターマックのセクションでグリップがなくて、コーナーの出口でマシンが滑ってしまった。大丈夫だと思ったけどベイルにぶつかった。ステージは本当に速い! 全開で行ったが、いくつかのコーナーではマシンがどう動くか分からなかったよ」
ヌーヴィルから0.7秒遅れの3番手にはMスポーツ・フォードのアドリアン・フールモー(フォード・プーマRally1)が続き、ポーランドでの優勝経験をもつアンドレアス・ミケルセン(ヒョンデi20 N Rally1)がさらに0.5秒差の4番手で続き、トップカテゴリーデビューのマルティンシュ・セスクス(フォード・プーマRally1)が印象的な速さをみせており、ノンハイブリッドのマシンにもかかわらずミケルセンから0.2秒遅れの5番手で続いている。
エルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)は最初の走行を終えて2番手につけていたが、2回の走行でシェイクダウンを切り上げたため6番手タイムにとどまっている。
セバスチャン・オジエがレッキ中に交通事故に見舞われたため、急遽、代役として出場することになったカッレ・ロヴァンペラ(トヨタGRヤリスRally1)はトヨタ勢ではただ一人、3回の走行を行い、7番手でシェイクダウンを終えている。5月上旬のラリー・デ・ポルトガル以来、2カ月ぶりにGRヤリスRally1のコクピットに戻った彼は高速ステージでテストをすることなく、本番に臨まなければならないが、彼はまだすべてのステージのレッキを行ってないため、シェイクダウンのあと、夕方のラリースタートまでに残り2つのステージのレッキを行うことになっている。「簡単ではないよ。僕らはテストを行ってないので、ここで初めてこのイベントのための準備を行うことになる」とロヴァンペラは語っている。「昨日、僕たちは朝から14時間もレッキを行ったが、夕方になっても僕らに声援を贈ってくれるファンがたくさんいたよ。僕らはとにかくここにいる。チームに少しでも貢献できるかどうか、そしてファンに印象的な走りをみせたうね」
勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)も2回の走行でシェイクダウンを終えたが、「高速イベントは好きだけれど、僕にとってはポーランドは初めてのラリーなのでビッグチャレンジになる。コーナーのカットも多いし、僕らにとってまったく新しい体験だが、どうなるかがんばるよ」と勝田は語っている。
勝田から0.9秒遅れの9番手にはグレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマRally1)が続いている。
ラリー・ポーランドは、今夕19時5分(現地時間)に行われるSS1ミコワイキ・アリーナのスーパーSSで開幕する。