ヒョンデ・モータースポーツのチーム代表を務めるシリル・アビテブールは、ラリー・ジャパンのゴール後、2023年シーズンをふりかえった際に4月に亡くなったクレイグ・ブリーンに敬意を表し、どうしても彼の決意と情熱について一言述べたかったと語った。
豪雨のなかで始まったラリー・ジャパンは初日、ダニエル・ソルドとティエリー・ヌーヴィルが相次いでクラッシュ、ヒョンデにとっては厳しいスタートとなり、トヨタの1-2-3を許すことになり、エサペッカ・ラッピがチーム最上位の4位でフィニッシュすることになった。
ブリーンはクロアチア・ラリーに向けたプレ・テスト中、雨のなかでマシンをスライドさせて木製の柵に衝突、不運にも命を落とすことになった。今回のラリー・ジャパンとも似たようなコンディションだったこともあるせいか、アビテブールはブリーンに聞かせるかのようにこのようなコンディションでも改善が進んでいることを確認できたと週末をふり返っている。
「ラリー・ジャパンは、クルーとチームが勝利のために全力を尽くし、難しいコンディションのなかで力強い速さを見せたことで、多くのポジティブな結果を示すことができた。もちろんミスや自信のなさによって、いくつかのチャンスを失ったことも事実だが、シーズン当初はそれほど強くなかったこのような路面でもまずまずのペースを見せたことはマシンの改善を示している。これからの休みを利用して、来年に向けた目標に集中するためのいいベースができた」
アビテブールは、ラリー・ジャパンをふり返る場で、今年は大きな損失を経験したとしんみりとふり返り、これからもブリーンの決意と熱意を将来につないで行きたいと語った。
「最後に、チームメイトのクレイグに敬意を表したい。今シーズン、私たちは本当に大きな喪失を経験した。クレイグにはこのスポーツに対する情熱と愛情があった。彼はまた、誰よりもそれを示すことができた」とアビテブールは語った。
「私たちは皆、まだ彼をとても恋しく思っている。彼の言葉は、たとえ最も困難な日であっても、これからの私たちへのインスピレーションとなるはずだ。私たちは彼の精神と決意を引き継いでいきたい。そのことをどうしてもみなさんに知ってほしかったんだ」