エサペッカ・ラッピとオイット・タナクがリタイアとなったことで、ヒョンデ・モータースポーツのサファリ・ラリー・ケニアは、ふたたび悪夢のようなスタートとなってしまった。
ヒョンデ勢のトラブルは朝のループでティエリー・ヌーヴィルがリヤタイヤをバーストさせて総合5位へと後退したときにすでに始まっていたが、ラッピは朝のループで2つの2番手タイムを奪い、首位のカッレ・ロヴァンペラから15.5秒遅れの2位につけており、さらにタナクも1.3秒遅れの3位で続き、トヨタと互角のバトルの週末になることを予感させる展開となっていたようにも見えたが、午後のループで二人は相次いでマシンを止めることになった。
ラッピはSS5ロルディアでトランスミッションのトラブルによりリタイアとなってしまった。彼は昨年も表彰台のポジションにつけていたが、プロペラシャフトを壊してリタイアとなっている。
ラッピは路面からの大きな衝撃はなかったが、突然、トランスミッションが不調になり、まるで爆発したように壊れたと証言した。
「そこまでは順調に進んでいたが、ギアボックスが爆発したんだ。ジャンクションやタイトなコーナーからの加速で前輪駆動になり、前輪駆動のまま1kmほど走っただろうか・・・それからギアが全部入らなくなり、坂を登れなくなった」とラッピは語った。
「それまで大きな衝撃やノイズはなかった。もちろん、ステージ上ではたくさんの衝撃があったが、そのどれもがこの問題を引き起こすものではなかったはずだ。今朝のようにスプリットが良かっただけに残念だ。マシンのスピードにはとても満足していたし、あのトラブルが起きるまではうまくいっていた。トランスミッションが壊れた瞬間、サンプガードが外れて、破片がバラバラと落ちたほどだ。だから、かなりひどい壊れ方だったよ」
ラッピがマシンを止めた次のステージ、SS6ジオサーマルで今度はタナクが不運に見舞われることになった。彼は道路の真ん中で岩に乗り上げてコースオフ、崖にヒットしてステアリングを壊して続行を諦めることになった。
タナクは今季、モンテカルロとスウェーデンではともに金曜日にリタイアしているだけに、サファリではなんとしても結果を残したいところだったが、またも金曜日でマシンを止めることになってしまった。
「アクシデントは、特別なものではなかった。サファリ・ラリー・ケニアの典型的なものだ。イン側にある岩が隠れているのが見えなくて、道幅が狭く、横に土手があったので反応できなかった。行き場がなかったから岩に乗るしかなかったんだけど、岩が大きすぎて道から外れてしまったんだ。土手に激突してマシンにダメージを負ってしまった。避けようがなかったんだ・・・」
ヒョンデのただ一人の生き残りであるヌーヴィルは金曜日を総合4位で終えており、ラッピとタナクはマシンを修理して土曜日にリスタートするものと見られている。