ラリー・イタリア・サルディニアは今季、再びアルゲーロに舞台を移すが、過去のイベントとは大きく異なり、ステージ数は20SSから16SSに減って総走行距離は266.12kmとなり、よりコンパクトなバージョンで開催されるが、ピレリは非常にトリッキーな週末になると予想している。
競技は金曜日から日曜日までの3日間だけで、シェイクダウンは金曜日の朝に行われ、その日の午後に最初の4つのSSが行われる。変更点はそれだけではない。ステージはラリーの同じセクションで繰り返されるため、ループ走行前のサービスやタイヤ交換はなく、その時点でマシンとタイヤはすでに多くのストレスに晒される。WRCプロモーターとFIAの提案によるこれらの変更は、観客にとってラリーをより身近でエキサイティングなものにするための試みとなるが、ドライバー、マシンはもちろん、タイヤにとっても常にチャレンジングであったステージの難易度に大きな影響を与えるだろう。
ラリー・サルディニアを過酷なものにしているのは、島の北部の路面が常に硬く、バンピーであり、2回目の走行では細かくてスリッパリーなダストが一掃され、さらに荒れた路面になる。さらに状況を複雑にしているのが、気温が30度を超えることもある暑さだ。
競技者は特に最初のステージであるテルグ〜オジーロに注意する必要がある。テルグ〜オジーロは例年よりも距離が長く、シーズン中もっともタフなステージのひとつとなる可能性が高く、タイヤマネジメントが重要なカギを握ると予想される。トゥーラのステージも同様に過酷で、低速から高速までペースが頻繁に変化し、ナローな道路にバンピーな路面、そしてトリッキーなジャンプで有名なモンテ・レルノが待ち受けている。
クルーと共にこの難関に挑むのは、ラリー・デ・ポルトガルでデビューして好成績を収めたピレリの新しいグラベルタイヤだ。新しい構造を採用することで、パフォーマンスはそのままに、耐久性と耐性を前世代よりもさらに向上させている。
サルディニアでは、新しいハードコンパウンドのスコーピオンKX WRC HBがメインタイヤとなり、新しいソフトコンパウンドのスコーピオンKX WRC SBがオプションタイヤとなる。
ラリー・アクティビティ・マネージャーを務めるテレンツィオ・テストーニは次のようにコメントした。「今年のラリー・サルディニアに導入された変更は注目に値するものであり、非常に興味深い。主催者は、プロモーターとFIAの要請を受けて、おそらく将来的に標準となる可能性のある新しいラリーフォーマットを試すという点で、最前線に立っている。つまり、今回のサルディニアは、おそらくさらにチャレンジングなものとなり、ドライバーにはいつも以上に、特にタイヤマネジメントに関しては細心の注意を払うことが求められるだろう。同じステージを繰り返すときが最もトリッキーであり、タイヤ交換無しでそれをこなさなければならないということは、タイヤの賢い使用が重要な役割を果たすということだ」
Rally1 マシンは、レギュレーションによりメインタイヤのハードが28本とオプションタイヤのソフトが8本割り当てられている。クルーはオプションの数を12本に増やすことができ、その場合はメインを4本減らすことになる。サルディニアではシェイクダウンを含めて最大で使用できるタイヤの総本数は24本に制限されており、これは前戦ポルトガルより4本少ない本数となる。
サルディニアでの他のカテゴリーについては、Rally2のマシンは、Rally1の新グラベルタイヤと同じ開発特性を持つ新型K4C(ハード)と、スコーピオンK6B(ソフト)が供給される。Rally3では K4A(ハード)と K6A(ソフト)が使用される。これらのカテゴリーはメインタイヤ26本、オプションタイヤ8本が割り当てられ、クルーは後者を12本まで増やすことができるが、メインタイヤの本数を4本減らさなければならない。最大で使用できるタイヤの総本数は22本に制限されており、こちらも前戦ポルトガルより4本少ない本数となる。