WRC2020/04/23

フィンランドのキャンセルを懸念する地域経済

(c)Toyota

 8月3-6日に開催が予定されるラリー・フィンランドは、フィンランド政府による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴うこの夏の大規模イベントの開催に関する方針決定を待っている。ラリー・フィンランドは地域経済にとっても大きな影響をもつだけに、地元は祈るような気持ちで事態の改善を願っている。

 フィンランドのCOVID-19感染者は4100人あまりとそれほど多いわけではないが、8月はラリー・フィンランドをはじめとして中央フィンランドで毎年多くの夏のイベントが開催されており、これらがすべてがキャンセルされると、数千万ユーロの観光収入が失われることが懸念されているという。

 中央フィンランドのイェムサでは例年、サマーフェスティバルが開催されており、週末ごとに大きなコンサートやイベントが目白押しとなっており、これらだけでも、これらだけも3000から4000万人の集客が見込まれるという。年間観光収入7000万ユーロのほとんどを夏の観光シーズンで売り上げるイェムサ地域の経済にとってこうしたイベントができるかどうか非常に重要になっている。

 ラリー・フィンランドが開催されるユバスキュラ市のコミュニケーションディレクターであるヘリーナ・マエンパーは、中央フィンランドで25万人以上の視聴者がある地元のラリーの開催に影響があった場合には地域経済の損失は計り知れないと答えている。

「キャンセルになったら非常に大きな問題だ。ラリーがユバスキュラに及ぼす直接的な経済的影響はおよそ1500万ユーロになるだろう」とマエンパーはフィンランド国営メディアのYLEに語っている。

「フィンランドの世界選手権は中央フィンランドでは25万人以上の視聴者があり、毎年この地域の観光の目玉の1つになっていきた。ユヴァスキュラへの経済的影響についても広範囲にわたって研究されてきた。主要な公共イベントがキャンセルされた場合、地域は他の方法で潜在的な夏の観光客を引き付けるために新しいものを創り出す必要がある」