ヨーロッパ・ラリー選手権はいよいよ今週末の最終戦ラリー・シレジアでシーズンの行方が決まる。選手権2位につけるAMDモータースポーツのマティユー・フランセスキ(シュコダ・ファビアRS Rally2)は、金曜日に行われた予選ステージで1分43秒10の最速タイムを記録し、タイトル獲得への野望をアピールした。
ラリー・シレジアは新しいERCターマックラリーとしてポーランド南部のホジュフをベースに行われる。3.05kmのミクルチツェの予選ステージでフランセスキは、前戦のアンドレア・マベリーニ(シュコダ・ファビアRS Rally2)に0.18秒差をつけるトップタイムをマークしている。フランセスキはレグ1を一番手でスタートするチャンスを手にしている。
「本当に、本当にいい気分だ」とフランセスキは語った。「今年最後のラリーをできるだけ楽しみたい」。
これまでの7戦を終えて選手権はBRCレーシング・チームのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 N Rally2)がタイトル争いをリード、フランセスキは選手権2位で続いているがその差は27ポイントと大きい。彼は、汚れやすいターマックを一番手で走ることでチャンスにつなげないと考えている。
「タイトル獲得は確かに難しいだろうが、今年を終えるためにはただ楽しむことと良いペースを保つことだけを心がけている。ステージではカットで泥だらけになるので、道路を一番手で走るほうがいい。これが僕の戦略だ」
チームMRFタイヤのマベリーニはラリー・ケレディギオンでERC初表彰台を獲得した勢いで現在選手権3位につけており、彼としてもフランセスキを捕らえてシーズンを終えることが今週末の目標となる。
地元のヒーローであるミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRS Rally2)が0.2秒遅れの3番手タイム、選手権リーダーのパッドンがさらに0.27秒差で続いている
パッドンは、タイトル争いのライバルであるフランセスキとは異なる戦略をとっていると説明した。「このラリーにはアンチカットがたくさんあるので、泥が出てくることはあまりないと思う。少し後ろにいれば、他の人が何をしているのかを見ることができる」
パッドンはERC 連覇に向けて最終戦ではリスクのないアプローチをするつもりだと語っている。
「(このラリーでは)アプローチが異なる。ウェールズは僕たちにとってすべてかゼロだった。ここではリズムを保つためにプッシュする必要があるが、リスクのないアプローチをすることになる。難しいラリーだが、このステージはラリーにはまったく関係なかった。泥が多かったからだ。明日は泥があまり出ないと思う」
パッドンの後ろでは、ジョン・アームストロング(フォード・フィエスタRally2)が5番手、シモーネ・テンペスティーニ(シュコダ・ファビアRS Rally2)が6番手、大けがのあとERCに初復帰となるヨアン・ボナート(シトロエンC3 Rally2)が8番手で続いている。
ラリー・シレジアは金曜日の夜にカトヴィツェ・スーパーSSで開幕、短いこのステージのあと本格的な戦いは土曜日から始まる。