WRC2025/05/07

フールモー、ポルトガル国内戦でWRC次戦を準備

(c)Rali Terras d’Aboboreira

 ヒョンデ・モータースポーツのアドリアン・フールモーは、先週末、ポルトガルで行われたラリー・テーハス・ダボボレイラにヒョンデi20 N Rally1で参戦、2週間後に開催されるラリー・デ・ポルトガルのための準備を行った。

 WRCはテストに関して非常に厳しい日数の規制が設けられているが、レギュレーションの抜け穴により、チームは公式テスト日としてカウントされずに国内ラリーに出場することができる。

 テストラリーはドライバーにとって長いステージを使った競技のコンディション下での準備とテストを行う絶好の機会となるため、これまでもヒョンデは小規模な国内イベントを積極的に活用してきたが、トヨタも準備として国内ラリーを活用するケースが増えてきたとようにも見える。

 前戦のラリー・イスラス・カナリアスに先立ち、ワールドチャンピオンのティエリー・ヌーヴィルは、競技でi20 N Rally1をテストするため、スペインで開催されたラリー・シエラ・モレナに参戦しており、このときにはトヨタからエルフィン・エヴァンスもGRヤリスRally1で出場していた。

 そして先週末、ヒョンデのフールモーは、5月15日から18日にかけて行われるラリー・デ・ポルトガルの準備としてポルトガル・ラリー選手権のラリー・テーハス・ダボボレイラにi20 N Rally1で出場した。このイベントは、ラリー・デ・ポルトガルの土曜日に走るエリアのグラベルステージで行われるため、2週間後の本番に向けて多くのRally2カーのドライバーが出場、今季からヒョンデに加わったフールモーにとってはタイム計測外のRally1クラスで、WRCで実際に走ることになるアマランテ・ステージを除いた走行となったが、i20 N Rally1をグラベルの実戦コンディションで走らせる貴重な機会となった。

「このラリーに出場することは、シーズン序盤の計画の一部だった。ティエリーはカナリア諸島ラリーの前にターマックラリーに出場したし、僕はテクニカルなグラベルラリーに先立ってこのラリーに参加した。そしてオイット(・タナク)はこの後、グラベルラリーに出場する予定だ」と、フールモーはフランス・メディアの「ラリー・スポーツ」で説明している。

 タナクは昨年、ラトビア・ラリーの前に母国エストニアでテストラリーに1回参戦しており、今年も、タナクのテストラリーは、ラリー・エストニアとラリー・フィンランドの高速グラベルラウンド連戦に向けた準備として行われる可能性がある。

「個人的には、テストデーよりも今週末のような実際のラリーに参戦する方が好きだ」とフールモーは語った。「路面はステージごとに変化するので、ラリーデーを丸一日過ごせば、すぐに本番の気分になれる。ペースノートの作業という点でも、はるかに価値がある。テストは順調に進んだし、ラリーに向けたいいシェイクダウンになった」

 前戦ラリー・イスラス・カナリアスのターマックではトヨタが見事な1-2-3-4位フィニッシュを飾ったのに対して、ヒョンデはマシンのセッティングに苦しみ、期待外れに終わっているため、ポルトガルで開催される次戦のグラベルラウンドで、より強力なパフォーマンスを発揮する必要があることは明らかだ。

「選択肢はない。僕にとってもヒョンデにとっても、ステップアップして何かを見せなければならない。スウェーデンでは、このグラベルセットアップがうまく機能したので、通常はうまくいくはずだ」とフールモーは語った。