Raid2019/01/10

ペテランセル初のステージ勝利、サインツに悪夢

(c)RedBull Content Pool

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 ダカール・ラリーの3日目、Xレイド・チームのMINIバギーを駆るステファン・ペテランセルが初ステージ勝利を獲得した。一方、チームメイトのカルロス・サインツはフロントサスペンションを壊してサポートを待つことになったために4時間あまりをロス、優勝の期待は完全に消えることになった。

 13度のダカール王者ペテランセルは、前日の第2ステージにおいて電気系のトラブルで集中力を失ってスタック、20分を失うことになった。「初心者のような愚かなミス」だったと彼はがっかりした表情をみせたが、第3ステージでは見事に立て直した。

 ペテランセルは、サン・ファン・デ・マルコナ〜アレキパの331kmで行われた第3ステージで、ほぼ最初からリード、トヨタGAZOOレーシング・サウスアフリカ(SA)のナッサー・アル-アッティーヤ(トヨタ・ハイラックス)と首位タイで2番目のウェイポイントを通過した後、ペテランセルはステージ終盤で着実にペースを上げ、最終的にアル-アッティーヤに3分26秒の差をつけてステージ勝利を収めて、総合順位で13位から3位に浮上した。ゴール地点で彼は前日とはうってかわって笑顔をみせ、「典型的なペルーのステージだったが、うまくいったよ。僕はめったにミスをしないが、昨日のことは過ぎたことだ。今日は楽しんで走った」と語っている。

 前日の第2ステージを終えた時点で総合首位に立っていたトヨタのジニール・ドゥビリエ(トヨタ・ハイラックス)は、この日の172km地点でマシンを壊してストップし、4時間遅れでフィニッシュすることになった。これで総合首位に立ったのはアル-アッティーヤ。Xレイド・チームのヤジード・アル-ラジ(MINI ALL4レーシング)が6分48秒の差の2位に浮上することになった。

 アル-アッティーヤは次のようにコメントした。「今日は難しかったが、僕たちには作戦があった。今日のステージを良い出走順からスタートするために、昨日はあえてタイムを落としたんだ。今日のステージで勝利したのはペテランセルなのか僕たちなのか、僕たちは知らないが、どちらにしろ僕たちにとって良いステージだった。小さなパンクが一つあったが、2分を失っただけで済んだ。良い一日だったので、十分ハッピーだよ。明日は新しいことが沢山あると聞いたので、ロングステージで警戒を怠らないようにしなければならない。その後は、攻め続けるつもりだ」
 
 ナニ・ロマ(MINI ALL4レーシング)は12分差の総合4位、プシュゴンスキ(MINI ALL4レーシング)が総合5位に続いている。

 また、第2ステージを勝利したセバスチャン・ローブ(プジョー3008DKR)は、コースオープナーとして臨んだこの日、霧のために視界を失ってミスコース、ペテランセルから42分遅れの11番手タイムにとどまり、総合順位では首位から38分遅れの8位に転落した。

「かなり霧がでていたが、問題は道を失ったことだ。戻ろうにも道が見つからずに、ぐるぐる走り回った。そのために30分を失ってしまった。大きなロスとなったが、明日は後方からのスタートになる。エンジンから異音がするので、マラソンステージの前に直してもらわなければならない」とローブは厳しい1日を降りかった。

 しかし、水曜日最も不運だったのはXレイドのMINIバギーを駆るサインツだ。彼はステージ開始からわずか39km地点でバギーの左フロントサスペンションを破損して3時間あまりもストップ、アシタントの助けによってやっとゴールをすることができたが、4時間あまりも失ったため、タイトル防衛への期待はこれで消えた。

 チームメイトのシリル・デプレ(MINIバギー)は総合6位、トヨタのベルンハルト・テン・ブリンケ(トヨタ・ハイラックス)はこの日を2番手でスタートしたが、30分以上遅れて、総合7位となった。

■ダカール第3ステージ順位
1.N.アル-アッティーヤ(トヨタ)8h34m08s
2. Y.アル-ラジ(MINI)+6m48s
3. S. ペテランセル(MINI)+7m03s
4. N.ローマ(MINI)+12m02s
5. J.プシュゴンスキ(MINI)+13m45s
6. C.デプレ(MINI)+24m40s
7. B. テン・ブリンケ(トヨタ)+25m28s
8. S.ローブ(プジョー)+37m59s
9. A.ドンザワ(トヨタ)+42m56s
10. B.ヴァナガス(トヨタ)+49m20s
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36. C.サインツ(MINI)+4h15m54s
40. G.ドゥ・ヴィリエ(トヨタ)+4h23m53s