FIAは18日に世界ラリー選手権の2020年シーズンのスポーティング・レギュレーションを公開、マニュファクチャラーチームにとってBチーム(あるいはセカンド・チーム)にあたる「WRCチーム」の詳細を明らかにした。
WRCチームは、以前にもマニュファクチャラーのBチームのほか、プライベートチームにも門戸を広げてマニュファクチャラーポイントの獲得を認めていたものだ。新世代WRカー規定がスタートした2017年以降、マニュファクチャラー選手権はマニュファクチャラーだけのものとなってWRCチームは消滅したが、2020年からふたたび選手権に復活することになる。
しかし、以前とは異なり、来季からのWRCチームはマニュファクチャラーチームのみがマニュファクチャラー選手権に追加で登録することができるチームとなり、プライベートチームの選手権登録は認められていない。
マニュファクチャラーチームは選手権全戦に2台ないし3台のマシンを出場させなければならないが、WRCチームは全戦に参戦する義務はなく、マニュファクチャラーチームと同一スペックの1台をヨーロッパ圏外の1戦を含む最低7戦に出場させなければならない。
WRCチームのドライバーは各イベントで異なるドライバーを出場させることは可能だが、すでにマニュファクチャラーチームのドライバーとして登録されたことがあるドライバーは同一シーズン内においてWRCチームのドライバーとして登録することは認められない。ドライバーの名前は事前に登録する必要はなく、エントリーの時点でWRCチームとしてのノミネートをFIAに通知する必要がある。
こうした条件を満たすことでWRCチームはマニュファクチャラーポイントを獲得できるが、もちろんWRCチームとしてマニュファクチャラー選手権のタイトルを狙うことがターゲットではない。
このWRCチームのマシンは、マニュファクチャラーチームのためにポイントは獲得できないが、Bチームとしてポイントを獲得できるため、マニュファクチャラーは事実上の4台目となるこのマシンを使って、ライバルのポイントをブロックしてAチームのマニュファクチャラー選手権をサポートさせる戦略が可能になる。
これまではマニュファクチャラーチームは3台のマシンをポイント対象として登録できたが、ポイント獲得はそのうち上位2台となり、3台目のマシンはポイント対象外となってきた。例えばトヨタが1-2-3でフィニッシュしても、トヨタのマニュファクチャラーポイントは1位と2位のポイントのみで、4位でヒュンダイがフィニッシュすれば、そのマシンが繰り上がって3位のポイントを獲得していた。