WRC2023/09/23

マーティン競技者代表に選出、WRC委員会に出席

(c)Toyota

 エルフィン・エヴァンスのコドライバーを務めるスコット・マーティンが競技者として史上初めてWRC委員会に出席、選手権の将来の方向性に関する議論に参加することになった。

 FIAのWRCプロモーターは、WRCの将来に関する重要なトピックやレギュレーション変更を行う際には、ドライバーあるいはコドライバーを代表する競技者の発言を反映させるべきだとの考えのもと、WRC委員会に競技者の代表を出席させることを決定した。この新たな役職の設置は、選手権の魅力が低下しているとのクルーやチームからの批判を受けたものだ。

 FIAとWRCプロモーターは今月になってWRCに参戦するクルーたちとの協議を開始し、その結果、選手権を改善するための重要な提案が行われた金曜日のWRC委員会にWRC競技者の代表としてマーティンを指名して出席を求めることになった。

「競技者として初めてこの役職を務めることになるというのは、とても大きなことだと思う。我々はこのような話し合いに競技者も参加すべきだと思ってきた」とマーテインは語った。

「僕らの考えが過小評価されていると感じてきたこともあった。いくらアイデアがあっても、その声をチームやメディアを通して伝えなければならないこともあった。我々の声が直接届く機会が生まれたことは本当に重要なことだ。未来を形作る議論の場において競技者にその手助けができる機会を与えてくれたFIAとWRCプロモーターに感謝したい」

 41歳のマーティンは、これまでにエヴァンスのほか故クレイグ・ブリーンやマシュー・ウィルソンのコドライバーも務めており、WRCに通算171回出場し、6勝を挙げている経験豊富なコドライバーだ。

「ラリーというスポーツは本当に素晴らしいものだ。われわれは皆、取り組まなければならない問題があることを認識しているが、金曜日に行われた最初のミーティングでその将来を楽観視しないわけにはいかなかった」とマーティンは語った。

「FIAにもプロモーターにも、変革のためにたゆまぬ努力を続けている人たちがたくさんいる。WRCのドライバーとコドライバーを代表する席につくことは、非常に重大な責任だ」

 マーティンはFIAのクローズド・ロード・コミッションでドライバー代表のポジションで働いて1年以上になる。その経験が今後も役立てられると感じている。

「その委員会のおかげで少し自信がついたし、意思決定や政策決定プロセスについて多くを学ぶことができた。少しは準備ができているし、それはこの新しい役割に大いに役立つはずだ」

「私たちが意思決定プロセスに直接的に関与していることは良いことだ。以前は、ミーティングからチームへ、チームからクルーへ、そしてまたチームへ、そしてまた次のミーティングへ、という流れだった。今は直接ミーティングに参加できる。これは正しい方向への一歩だ。私が入って世界を変えるつもりはない。ただ、スポーツとして、グループとして、最終的にはこのスポーツを成功させることがひとつの目標だと思う」