WRC2022/01/24

ミケルセン、WRC2王座防衛へ順調な滑り出し

(c)Skoda

(c)RedBull Content Poll

 トークスポーツWRTのアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2)がラリー・モンテカルロでWRC2優勝を飾り、タイトル防衛に向けて順調なシーズンスタートを切った。

 ラリーのスタート前はこの20年でこれほどドライコンディションのモンテはないと評されていたが、グリップの複雑な変化によってけっして優しい週末にはならなかった。

 木曜日の夜にラリーリーダーとなったエリック・カミリー(シトロエンC3 Rally2)が金曜日の朝のコースオフで消え、代わってラリーの主導権を握ったかに見えたステファン・ルフェーブル(シトロエンC3 Rally2)も土曜日にフライングフィニッシュあとのストップが禁止されているゾーンでペースノートの修正のためにマシンを止めたことから30分ものペナルティを課され、その挙げ句、直後のステージでクラッシュでラリーを終えることになった。

 ルフェーブルに代わってトップに立ったミケルセンだが、2位で続くヨアン・ロッセル(シトロエンC3 Rally2)に対して22.9秒をリードして迎えた土曜日の最終ステージ、サン・ジェニエ〜トアールのステージで右フロントタイヤをパンク、トップを失う危機に見舞われた。

 しかし、ロッセルもまた同じステージのアイスセクションで雪のディッチにスタック、3分あまりを失ってしまったため、ミケルセンはWRC2ジュニア・ドライバーの最高位に位置する後続のエリック・ツアイス(フォード・フィエスタRally2)に対し、22.4秒の差をつけて最終日を迎えていた。

 しかし、モンテ初挑戦のツアイスも首位を狙う考えはなく、堅実なペースへとスピードを落としてゴールを目指す。ミケルセンは最終日も2つのベストタイムを刻んで、新しいコドライバーのトーシュティン・エリクセンとの緒戦となったモンテで勝利を飾ってWRC2をリードすることになった。

「これ以上ないシーズンの始まりだ」とミケルセンは微笑んだ。「トーシュティン(・エリクセン)も最初のステージからよく頑張ってくれたし、僕らはクレバーに、トラブルに巻き込まれないように努めた週末だった。雪はそれほど多くないのに、本当にグリップが難しいモンテだった」

 ツアイスは昨年のスペインでWRC初挑戦でWRC2で3位表彰台を飾り、2戦目の今回のモンテでも2位表彰台を達成することになった。また、ツアイスはトークスポーツWRTのニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアRally2エボ)に1分12秒差をつけてフィニッシュ、WRC2ジュニア優勝を飾ったほか、総合でも10位でフィニッシュして初のWRCポイントを獲得するなど記憶に残る週末となっている。

 最終日を5位で迎えたグリアジンの3位表彰台を獲得できたのは、ライバルたちの不運にも助けられたものだ。3位につけていたグレゴワール・ムンステル(ヒュンダイi20 N Rally2)とともに4位につけていたロッセルがブリアンソネ〜アントルヴォーの1回目の走行となるSS15でともにパンクに見舞われてしまい、ムンステルが5位、ロッセルが6位に終わることになっている。ロッセルはパンクで表彰台のチャンスを失ったが、パワーステージで優勝し、貴重なボーナスポイントを獲得した。また、ショーン・ジョンストン(シトロエンC3 Rally2)が自己ベストの4位で続いている。

 また、Rally3カーによる選手権となったWRC3は、ジュニアWRCチャンピオンのサミ・パヤリ(フォード・フィエスタRally3)がヤン・チェルニー(フォード・フィエスタRally3)に7.6秒差をつけて優勝を飾っている。