TOKスポーツ・ワールドラリーチームのアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2エボ)がラリー・モンテカルロでWRC2選手権カテゴリー優勝と総合7位を獲得し、2021年シーズンの幕開けを飾った。
ミケルセンはこのラリーを前に、「勝ちたいだけではなくシーズンのすべてを支配したい」と宣言しており、実際序盤から彼はカテゴリートップに躍り出ただけでなく、雪と氷の難しいコンディションの中で多くのライバルたちがトラブルに見舞われるなか、一瞬のミスをすることもなく2分13秒ものリードを築いて最終日を迎えていた。
ミケルセンは日曜日は優勝を確かなものとするために、より控えめなアプローチをとってきたが、最後のパワーステージではWRC2にも今季からボーナスポイントが与えられるためフルアタックを敢行、アイスパッチでスピンを喫したにもかかわらず、1.9秒差をつけてベストタイムを獲得するとともに2位のアドリアン・フールモー(フォード・フィエスタRally2)に1分52.2秒差をつけて開幕戦でパーフェクトウィンを飾ることになった。
「ここでの成功の鍵は、グラベルクルーと一体となることであり、幸運にも私はいつもクルーと密接に仕事をすることができた。そのおかげだよ」とミケルセンは語った。
フールモーは土曜日のサンクレマン〜フレシニエールの最初のコーナーでパンクして1分30秒のタイムロスを喫してしまったことでミケルセンとの勝負は終わってしまったが、週末を通して一貫して速さを発揮し、4つのステージウィンを奪って2位に入ったことに満足している。
「ペースも良かったし、アンドレアスとのバトルも良かった。難しい状況のなかでモンテカルロのための準備をしてくれたMスポーツには感謝している」とフールモーは語っている。
エリック・カミリー(シトロエンC3 Rally2)は1年ぶりのラリーだったが見事にWRC2の2位でフィニッシュ。ゴール目前でメカニカルトラブルのためロードセクションでマシンを止め、その結果、4分もタイムコントロールに遅着することになり、最終ステージも右リヤをスローパンクしながらの走行だったが、どうにか表彰台を死守している。
4位はマルコ・ブラチア(シュコダ・ファビアRally2エボ)、5位にはショーン・ジョンストン(シトロエンC3 Rally2)が続いている。
なお、ヒュンダイ・モータースポーツNのオリヴァー・ソルベルグ(ヒュンダイi20 R5)はここではWRC2にはノミネートしていなかったが、カミリーを1.4秒上回って最終ステージを迎えていたが、ブレーキミスでディッチですタックすることになり、惜しくもリタイアとなっている。
また、プライベーターのためのWRC3選手権は、ヨアン・ロッセル(シトロエンC3 Rally2)がパワーステージのドラマを乗り越えてWRC3初優勝を飾った。
ロッセルは初日からフランス・チャンピオンのヨアン・ボナート(シトロエンC3 Rally2)との間で、トップ争いを繰り広げていたが、土曜日の朝に行われたサンクレマン〜フレシニエールでボナートがパンクに見舞われたため、2分をリードして最終日を迎えていた。
ロッセルはこのまま順調に走るかに見えたが、最終ステージではリヤタイヤをパンクしてしまいヒヤリとさせるドラマがあったが、ここでは30秒を失っただけで1分9秒差をつけて優勝を飾ることになった。
「何が起こったのかわからないよ! クリーンな走りをしていたのに、スタートして8km地点で突然起きてしまったんだ!」とロッセルはほっとしたように笑顔をみせている。
土曜日のパンクで2分52秒を失ったニコラ・シアマン(シトロエンC3 Rally2)は日曜日も3つのステージを制する速さをみせて、2分52秒差というトラブルが悔やまれるタイム差の3位でフィニッシュすることになり、表彰台をシトロエン・ドライバーが独占している。