エサペッカ・ラッピとともにWRCで2度の優勝を飾り、彼のために15年にわたってペースノートを読み上げてきたヤンネ・フェルムが、WRCに別れを告げることを発表した。
フェルムは、2024年のラリー・チリがコドライバーとしての最後のWRCとなることを最終日に発表した。残念ながら、ラッピとフェルムは最終日にマシンのフロントを壊したために最終ステージを前にマシンを止めており、完走することはできなかった。
次々とマシンがゴールを迎えるなか、ラッピとフェルムはRallyTVのゲストとして招かれ、この残念な発表を二人で行うことになった。
フェルムは当初は2023年シーズン限りでの引退を考えていたが、ヒョンデでパートタイム参戦することが決まったラッピからもう1年留まるよう説得されたと説明、普段はよく笑うことで知られる彼だが、お別れのさみしさをかみしめているようだった。
「僕はただ辞めるだけで、たいしたことではないと思っていたんだけど、ラリーファミリーのみんなが・・・」と、語りながら44歳のフェルムは言葉を詰まらせた。「みんながハグしてくれたり、声援を送ってくれたりしたので、今日は感動的な一日となった」
フェルムは、14年間で90戦に及んだ彼のWRCキャリアのすべてをラッピとともに過ごした。彼らはシュコダで2016年にWRC2タイトルを獲得し、2017年には彼らのホームイベントであるラリー・フィンランド、そして今シーズン初めのラリー・スウェーデンの2戦のWRCで優勝した。
「長い旅だった。浮き沈みなどいろいろあった。もちろん、あの2勝について触れることもできるが、僕たちが関わってきたすべての人々、そして彼という人そのものがラリーのすべてなんだ」とフェルムは語った。
「彼と一緒にいられたことは僕にとって光栄なことだったし、彼は僕を支えてくれ、ある意味では僕も彼を支えてきた。心から彼に感謝しなければならない」
ラッピは長年のパートナーに敬意を表し、たとえプロフェッショナルなドライビングではないとしても、今後も一緒にペアを組むつもりであることを示唆した。
「まず第一に、長年の間、一緒にやってきた彼に感謝しなければならない」とラッピは語った。「僕たちは15シーズンを一緒に戦った。スタートしたとき、僕はルーキーだった。ふたりともそうだった。僕たちは何年もかけてプロになるために坂を登ってきたが、今、この旅は終わりを迎える」
「いつかまた、ラリーカーで面白いことをするために、プロとしてではないが、また一緒に座ることになると思う。だから、ポジティブなことだけで、彼には本当に感謝している」。
「そして今、この旅は終わりを告げる。ラリーカーの中ではまだ一緒に座っていると思うが、プロフェッショナルではない。
「彼の姿は見えなくても、とても遠くから彼の声が聞こえる。彼がどこにいるかわからなくても、笑い声が聞こえたら、彼が近くにいることがわかる。近くにいなくても、遠くにいても聞こえるんだから。僕たちはみんな、彼のジョークやユーモアを恋しく思うだろう」とラッピは付け加えた。
フェルムはコドライバーのヘルメットを完全に脱ぐわけではない。来月サンマリノで開催されるラリー・レジェンドでは、シトロエンC3 WRCでヘイッキ・コヴァライネンの隣に座る予定だ。
しかし、その後のことはフェルムは何も計画していない。「わからないよ。みんなそれを聞いてくるけどね!」
「ある人が、プランBはあるかと聞いてきたので、僕は、プランBもプランCもないと答えた。とにかくこれを辞めて、その後どうなるか見てみよう」。
「そして今、この旅は終わりを告げる。ラリーカーの中ではまだ一緒に座っていると思うが、プロフェッショナルではない。
「彼の姿は見えなくても、とても遠くから彼の声が聞こえる。彼のジョークやユーモアのセンスが見られなくなるのは寂しい」とラッピは付け加えた。
ヒュンダイのチーム代表であるシリル・アビテブールもまた、フェルムに優しい言葉をかけた。
「ヤンネのラリーでの素晴らしいキャリアを祝福し、彼の『引退』の成功を祈りたい。彼は他の誰とも違うキャラクターであり、チームの皆が彼を惜しむだろう」