2026年ダカール・ラリーのステージ11は、トヨタGAZOOレーシングW2RCのヘンク・ラテガン(トヨタDKR GRハイラックス)がトラブルに見舞われるという波乱に見舞われて優勝争いから脱落、ナッサー・アル-アッティーヤ(ダチア・サンドライダー)が総合首位をキープして6度目の優勝に迫っている。
ビシャからアル・ヘナキヤまでの346kmに及ぶこのステージ11位では、ステージの大部分でフォード勢が上位を独占した。マティアス・エクストローム(フォード・ラプター)がすべての主要チェックポイントでトップを維持し、プロローグでの勝利に続き、今大会2度目のステージ優勝を飾った。
エクストロームから1分22秒遅れの2位には旧スペックのフォード・ラプターを駆るロマン・デュマ、フォード・レーシングのカルロス・サインツ・シニア(フォード・ラプター)が2分26秒遅れで3位に入り、フォード勢が1-2-3を独占することになった。
この日の最大の波乱は、トヨタのラテガンがトラブルに見舞われたことだ。南アフリカ出身のラテガンは総合2位でアル-アッティーヤの最大のライバルと目されていたが、ステージ140km地点でリヤの足回りを大きく壊してストップ、1時間40分にわたって足止めを食った。彼はその後、走行を再開したものの、大きなタイムロスは避けられず、総合2位から23位へと転落することになった。
ステージ優勝のエクストロームから4時間以上遅れてフィニッシュしたラテガンはフィニッシュラインで冷静さを保ち、笑顔を見せていたが、ヤンブー以来ずっと続いている不運への苛立ちを隠そうとはしなかった。
「これで僕らのダカールは終わってしまったよ。僕たちは降りかかるあらゆる困難に直面してきた。毎日立ち上がって走り続け、プッシュし続けてきたが、今回のダカールは僕たちを落とそうと必死に試み、ついにそれを成し遂げたというわけだ」とラテガンは語っている。
「このステージで4時間もロスした。ホイールの小さなボルトが折れて、それで4時間もロスしてしまったんだ。本当に奇妙な故障だ。こんな故障は初めてだったし、本来はそこで壊れないように設計されていたはずだ。このボルトが切れて、ホイールベアリング全体が壊れてしまったんだ」
「リアトレーリングアーム、コントロールアーム、ボールジョイントなどはこういった重要な部品が壊れる前に先に壊れるように設計されている。それら部品はヒューズと呼ばれ、これらが壊れたときにすぐに交換できるように、たくさんのスペアパーツを搭載している。もしこれらの部品が壊れたとしても、僕たちは5分くらいロスしただけで、その後はまた走れる状態だったのに、あのボルトはなかった。信じられない思いで、もう笑うしかなかった」
ラテガンは優勝の可能性もほぼ消失したことを知っているが、それでも明日はプッシュしてどうなるか状況を見守りたいと語った。「僕らは走り続け、戦い続けた。いつも後方から追い上げて、順位を上げていった。何日もプッシュし、ひたすら努力してきた。あの小さなボルトのせいで、競争から脱落するなんて信じられない。明日はかなり後方からスタートすることになると思うが、どうなるか見てみよう。またプッシュする。それが残された唯一の方法であり、僕らが知っている唯一の方法だ」
アル-アッティーヤは、この日を17番手という控えめなタイムで終えることになり、総合首位を堅持することになった。彼はフィニッシュラインでラテガンがトラブルで遅れていることを知り、終始レースをコントロールできたことを喜んだ。
「今日は簡単なレースではなく、どのペースで走ればいいのか分からなかったので、完走できて本当に嬉しいよ。セバスチャンがペースを上げると分かったから、彼にパスさせて、ずっと彼の後ろを走り続けてきた。今日の結果には満足している。どうなるか見てみよう。明日は今日と同じように走るだけだ。2分、3分、4分遅れても問題はない。とにかく、このダカールを1位でフィニッシュすることが僕の願いなんだ」
ラテガンの順位後退と相まって、総合順位では現在、ナニ・ローマ(フォード・ラプター)が2位へと浮上、アル-アッティーヤを追う最有力となっており、その差を8分40秒となっている。
ダチアのセバスチャン・ローブ(ダチア・サンドライダー)は首位から18分37秒遅れながら総合3位に浮上し、その後方およそ3分差の4位にはステージ勝利によって順位を上げたエクストロームが続く。同じくフォードのサインツも首位から約29分遅れではあるものの5位で続き、まだ表彰台争いに踏みとどまっている。ステージ10を勝利したセンチュリーのマティユー・セラドリ(センチュリーCR7)は総合6位に躍進した。