WRC2020/02/27

ラリー・エストニア、今季イベントの中止を発表

(c)Toyota

 ラリー・エストニアの主催チームは、7月24日-26日にかけて開催が予定されていた今年のイベントをキャンセルしたことを発表した。

 ラリー・エストニアは今季もふたたびWRC公式プロモーションイベントとして開催される予定であり、WRCのマニュファクチャラーチームとともに10周年記念イベントを地元ラリーファンとともに祝う予定だった。

 ラリー・エストニアについては先週末、エストニアASNの一つであるエストニア・オートスポーツ連盟とイベント開催登録料金をめぐるデリケートな問題が発生しているため2020年イベントについて開催の合意ができてないと報道されており、主催チームの関係者によってこれまで2,000ユーロだったイベント開催登録申請料が50倍アップされた10万ユーロへと高騰したという情報がメディアにリークされていた。

 ラリー・エストニアとエストニア・オートスポーツ連盟は今週、ふたたび開催についての話し合いをもつと見られてきたが、26日、ラリー・エストニアはソーシャルメディアにおいて2020年イベントが開催できなくなったとアナウンスすることになった。いまのところ、キャンセルの理由などについて明らかにされておらず、主催チームを代表するウルモ・アーヴァもコメントを拒否している。

 しかし、エストニア・オートスポーツ連盟は公式通知において、同連盟がラリー・エストニアの開催を妨害しているというメディアキャンペーンが展開されていることを非難するとともに、開催登録申請料に関しても誤解を招く情報が伝わっているという異例ともいえるコメントを発表している。

「エストニア・オートスポーツ連盟がラリー・エストニアの開催を妨害することを試みているとして市民やファンに納得させようとしているメディアキャンペーンは正しいものではなく、彼らによって公開された情報は誤解を招くため、それに対して反論を行う必要がある」

「エストニア・オートスポーツ連盟がFIA国際競技として申請するための登録料は以前は不均衡といえるほど低料金だったため、比例原則にしたがって新しい価格表を作成した。新しい登録料はフィンランドやドイツのそれと比較しても適正なものだ。彼らの登録料は他のモータースポーツイベントに請求される料金に相当しており、料金が不当に上昇したわけではなく、連盟の他のスポーツイベントに請求される登録料に相当しており、すべての主催者を平等に扱うことが、モータースポーツの持続可能性にとっても非常に重要であると連盟は考えている」

「また、エストニア・オートスポーツ連盟がラリー・エストニアの開催に反対したという情報は事実ではない。ラリー・エストニアを組織するかどうかについて投票がスポーツ文化省で行われたが、エストニア・オートスポーツ連盟の代表者が賛成票を投じたことは議事録でも明らかであるし、我々がラリーに反対したことはない」

「ラリー・エストニアの主催者は、エストニア・オートスポーツ連盟が競争法に違反していると非難したが、国の支援を受けて彼らが大規模に組織したイベントが他のモータースポーツ主催者と同じマーケットで競争することこそなによりの歪みであるという事実を無視している」