WRC2022/08/05

ラリー前会見「勝利よりタイトルの方が重要」

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―カッレ、誰もがこのラリーが始まるのを楽しみにしています。あなたは現在チャンピオンシップリーダーで、21歳で、ここはホームラリーです。これ以上の状況はあるでしょうか?

カッレ・ロヴァンペラ:「普通に考えて、ないだろうね。あるとしても、今の状況がかなりいいことは確かだ」

―とても冷静にホームイベントに臨んでいるように見えます。会場へ直行できたり、荷造りが不要だったり、他の国へ行くときと違うと思いますが、戦闘モードのスイッチはもう入っているのでしょうか?

ロヴァンペラ:「今はようやく入ったと思うが、レッキの間や今週前半は、家で寝て、ここにドライブして来るというのは(気持ちを整える上で)少し難しかった」

―イベントそのものについてはどうですか?今シーズンはあなたの素晴らしい走りを見てきました。世界選手権のタイトル獲得も目前ですが、これまで何度も、それについては考えていないと語っていました。ラリー・フィンランドでの勝利は、タイトル獲得と同じくらい重要だと思うのですが、いかがでしょうか?

ロヴァンペラ:「僕にとってはタイトルのほうが重要だが、でも、ラリー・フィンランドの勝利は特別なもので、誰もがいつかはここで勝ちたいと願っている。もちろん、僕にとってはホームラリーなので、勝利できればうれしいことは間違いない。今週末は当然それを目指すが、これまでと同様に、状況を把握し、チャンピオンシップに対してクレバーであることも必要だ。ベストリザルトを出せないとしても、自分にできる限りのことをしなければならない」

―今週末は、あなたのチームメイトも含めて、勝利を狙えるドライバーが複数人います。他のラリーに比べて、ここでの挑戦は厳しいと感じますか?

ロヴァンペラ:「明日の道路掃除役の負担がどの程度かに大きく左右されると思う。いくつかのステージはグラベルがかなりルーズなようだ。上位争いに残れるようにプッシュするつもりだ。もし金曜日を終えた時点で離されていなければ、戦えるチャンスはある。でも、以前ここで優勝した経験があってもう一度勝ちたいと思っているドライバーが何人もいる。また、タカ(勝田)はここに住んでいるので、僕以上にここがホームラリーのようなものだ!彼が良い仕事をしてくれることを期待している」

―あなたにとってもここは地元で、何年も住んでいました。天気の予測はどうでしょうか。明日は雨が降りそうですか?あなたにとっては少し雨が降ったほうが有利になりますね。

ロヴァンペラ:「フィンランドの天気はいつも予想しづらい。夏以外は大体悪く、ほとんどの時間、雨が降っている。でも、今は晴れているようなので、ファンやラリーにとっては良いことだろうが、もし明日の朝が少し湿っていたら僕としては何も困らないだろうね」

―オリヴァー、フィンランドでRally1マシンに乗るのは初めてです。もし、あなたが勝利すれば、例外的な勝利となります。どのようにイベントに取り組みますか?

オリヴァー・ソルベルグ:「正直なところ、優勝はちょっと無理かもしれないが、フィーリングはかなりいい。シェイクダウンも良かったし、明日が楽しみだ」

―エストニアでもRally1マシンをドライブしましたが、こことは特徴が違います。そのイベントで学んだことで、ここで活かせることはありますか?

ソルベルグ:「Rally1マシンはスピードが全然違うので、勉強になった。エストニアの道路はある程度知っていたが、Rally1マシンでは全く違っていた。僕たちはエストニアではスピードが足りなかった。そしてフィンランドに向けて奇跡を起こしたわけでもないので、このラリーも簡単ではないだろう。だが、フィーリングは少し良くなっていて、いくつかの改良を施したので、より自信を持って満足して臨める。Rally1マシンでここに来るのは初めてなので、あとは結果がどうなるかを見るだけだ」

―最初の走行で小さくスピンを喫しましたが、シェイクダウンの感触はどうでしたか?

ソルベルグ:「リヤを硬くしすぎて、ちょっとグリップを失ってしてしまったんだ。高速での走行にあまり自信がなかったが、いくつか変更を加え、良くなった」

―今週末は超ベテランのデニス・ジローデが一緒にいますね。彼とはとてもいい関係だと聞いていますが、彼は何かヒントを与えてくれますか?

ソルベルグ:「もちろん彼は多くの経験を持っている。特にこのラリーでは、ユハ・カンクネンと1993年に優勝しているし、彼はすべてのドライバーと一緒に走ってきたんだ。昨日も一緒にビデオを見て、彼は『ああ、ここで奴がコースオフした、ここもだ、ここもだ』と話していた。彼はすべてのステージ、すべてのコーナー、すべてのドライバーを知っているので、とても凄いよ」

―タカ、あなたにとって、ここもホームイベントですね!ユヴァスキラに住んでもう何年になりますか?

勝田貴元:「どうだったか、5〜6年くらいになると思う」

―フィンランド語もかなり話せるようになりました?

勝田:「娘の方が上手かな!僕はまだまだ十分とは言えないけど、カッレやエンジニアたちが話していることはある程度理解できるよ」

―2回目のホームインベントを走るのはどんな感じなのか教えてください。興奮と賑わいが戻ってきましたね。ここで戦うのはどんな気分ですか?

勝田:「カッレも言っていたようにレッキではちょっと変な感覚だったよ、普段の生活で使っている道路だし、サービスパークももちろん普段の生活で利用しているところだから、集中するのがちょっと難しい。でもこうしてラリーが始まって、シェイクダウンとくれば、他のラリーとなんら変わらない。すべてが揃っていて、僕の家族がいる、ファンたちもいる、だから、僕にとってはさらに居心地がいい。すごくやりやすいし、自信も持てる」

―グラベルではとても良い結果を出しているあなたの期待について聞かせてください。今週末も表彰台に乗るために自分自身にプレッシャーをかけたりしていますか?

勝田:「そうだね、僕の目標はもちろん表彰台を獲得することだし、それを目指して戦うことになるけど、こういったラリーではなかなか簡単にはいかない。カッレはこのコースではもちろんすごく速いだろうし、同じチーム内だけでもエルフィンやエサペッカというラリー・フィンランドに勝利した経験を持つドライバーたちがいる。そしてもちろん、ヒョンデの彼らもとても強力だ。簡単ではないけど、これは僕の目標だし、できる限りプッシュしていくよ」

―昨年は、初めてアーロン(・ジョンストン)が一緒に走ることになり、超高速イベントに挑むのは大きなチャレンジになりました。そんなふたりの関係はとてもうまくいるようですが、どうですか?

勝田:「彼とはとてもやりやすいと感じている。彼はペースノートの作成にあたっても、読み上げることも、そして準備に関してもすごく良くやってくれている。彼の仕事ぶりには非常に満足だし、とても良い関係が築けている。昨年のラリー・フィンランドで、360度スピンするということがあって、それでも彼は何も言わなかった。だから彼が良いって分かったし絶対キープするべきだって思えた!」

―ヤリ、初めてのRally1カーでの参戦はあなたのホームイベントになります。ずっと満面の笑でしたね。すごいチャレンジであると同時に良い経験ですね。シェイクダウンはどんな感じでしたか?

ヤリ・フットゥネン:「実際ラリーカーに初めて乗るような感覚だったよ。なぜそんな風に感じたかは謎だけど。エストニアでテストをしてきたから、なのかもしれない。でも何回か走ったら感覚に慣れてきたけど、ドライブするのは本当に難しくてね、どうなるか見てみよう」

―他のフィンランド人同様、あなたも自分の走りをしっかりと見せたいのではと思いますが、今回が初めてなので、今週末はプッシュしたいと気持ちとRally1での経験がないという部分、そのバランスがとても難しいと思いますがどうでしょうか。

フットゥネン:「そうだね、まずは経験を積んでクルマを学んでいくことが必要だ。そしてどこかで、自分の速さを見せていくことができると思う」

―クルマに関して最も大きく変わったのは、パワー以外では何ですか?

フットゥネン:「パワーは本当にすごいよ。ハイスピードのところでどこまで速く走れるのか、そしてクルマをどこまでプッシュできるのかを把握するのはかなり難しいけど、早くそれを習得したい」

―これは1回限りの参戦ですか、それとももっと多くのイベントが予定されていますか?

フットゥネン:「それはないと思う」

―今後もっとあることを祈っています!

「そうだね、そうなることを願っているよ。たぶん来年。でも今のところはわからない」

(フロアからの質問)
―シェイクダウンで、カッレは他のドライバーより1秒速かったですが、これは注視すべきことですか?

ソルベルグ:「彼は度胸があるんだ!」

―カッレ、あなたにとっては簡単なことだったのでしょうか、それとも明日から見られるものを見せたかったのでしょうか?

ロヴァンペラ:「違う。僕としては、1回目の走行が最も重要だと思っているんだ。でも、そうだね、実際、道を開くのはかなりうまくいったし、タイムもかなり良かった。だから、その点では満足している。そのあとの2回目、3回目で比べると、ラッピが速かった。最後の走行は、プッシュすれば誰もがもう少し速く走れるはずだ。だからシェイクダウンは、特別なことではない」

―今回のシェイクダウンは、フィンランド人にとっても全く新しいコースだったと聞いています。非常に特別なシェイクダウンで、要求も多く、ペースノートを作るのが難しく、フラットアウトで走るのは大きなリスクが伴ったのではないですか?

ロヴァンペラ:「正直に言って、良いステージだった。これまでのラリーでも最高のシェイクダウンの1つだ。2010年のビデオを見た。僕自身もう覚えてはいないが、父と一緒にスタートラインに立って、みんなが準備するのを見ていたんだ。そこのステージスタートを訪れたのはそのときが初めてだったが、良いシェイクダウンになったよ」