WRC2022/01/21

ラリー前会見「誰もが答えを求めている」

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―WRCの新時代が始まりました。現チャンピオンのオジエ、この数週間でテストする機会が増えましたが、新しいマシンについてどう思いますか。また、何を期待しますか?

セバスチャン・オジエ:「これまで以上に未知数だ。誰もが答えを求めていて、最初の答えは今週末にやってくるだろう。僕たちは、どちらかというと、個人としてではなく、チームとしてテストしている。新しい時代が始まるときというのは、チームは常に準備が整っていないと感じ、もっとテストをしたいと思うものだ。それは興味深いことだが、でも、今のところ、僕らがどの程度のパフォーマンスを持っているのかを知ることはできない。マシンが以前と違うことは確かだし、ハイブリッドによるブーストがあるとはいえ、少し遅くなることは想定しておかなければならない。今の段階では昨年よりも少し遅いだろうが、しかし、すぐに改善されると確信している。ドライバーにとっても、チームにとっても、常に新しいチャレンジだ。ドライビングスタイルをどうにかして適応させなければならないかもしれない。今週末は誰も完璧な準備などできていないし、おそらく他の人よりも早く適応できる人が違いを生み出すことになるだろう」

―パーセンテージで言うと、100%のうち、どのくらい適応する必要があって、どのくらい変化するのでしょうか?

オジエ:「数字で出すのは難しい。マシンはもちろん違っていて、以前よりアンダーステアが強くなり、重くなり、タイヤをより熱くするようになったが、どうだろう・・・。僕のこれまでのキャリアでは、新しいマシンに乗り、イベントを勝利してきた。だから、僕は新しい時代に突入することを恐れるべきではない。でも、もちろん、ここはモンテカルロだし、僕は自分自身とチームのためにいい結果を出したい」

―テストでは何キロ走ったのですか?

オジエ:「12月に3日間と1月にもう1日だが、でも1日はクラッシュしてしまったので半分になった。新型マシンではクラッシュがたくさん見受けられる。今週末はそうならないことを願っている」

―これまでで一番安全なラリーカーですか?

オジエ:「性能以上に、ドライバーは常にできる限り安全な環境で楽しくドライブし、パフォーマンスすることを求めている。危険はつきものだが、FIAをはじめ、皆が安全性を高めるために全力を尽くしてくれているのはうれしいことだ」

―ティエリー、あなたはどれほどの順応性がありますか?新しいクルマには慣れましたか?

ティエリー・ヌーヴィル:「セブが言っていたように、自分たちがどれほど準備できているのかを把握するのは難しい。変化については僕は恐れていない、クルマでは十分な距離を走ることができているし、フィーリングを改善していくこともできたからね。クルマ、テクノロジー、ステージの特徴といい、本当に新しいことばかりだ」

―ドライな状態でのテストはどの程度できていますか?

ヌーヴィル:「新しいクルマでスノーを走っていないドライバーは僕だけかもしれない。スノーでのテストは行われていたけど、あまりにも(雪が)多過ぎたので、自分が走る予定だった日をスキップして、その日をコンディションの良いところでもう1セッション走るために使った。結果的には、コンディションがかなり安定すると思うから、これが不利になるとは思っていない。コンディションはこれまでとくらべてずっとドライになると思っているよ。僕たちにできることはすべてやってきた、忙しかったけど、なんとかできたし誰よりも楽しみにしているよ」

―センターデフを失って、エアロも一部変更になったことで、どれくらい難しくなりそうですか?

ヌーヴィル:「テストでは問題ないように感じたけど、また違ったサーフェイスのステージに入るともっといろいろ分かってくるだろう。スノーではスパイクタイヤを履いてまともに走っていないからね。何とも言えない。以前はクルマに慣れるのにもアクティブデフで自分のスタイルにクルマを合わせることができた。(今は)シーズン全体でデフランプの変更を行い、3人のドライバーの間で判断しなければならない。より多くの妥協が必要となるが、それをうまく機能させるのがドライバーの仕事というわけだ」

―セブ、まずはダカール・ラリーでの結果についておめでとうございます。参戦した人たちの多くは今頃、数週間寝ていそうな感じですが、あなたは今ここにいますね!まずは、イベント本番を前にどんな心境ですか、そして週末のテストの成果は?

セバスチャン・ローブ:「僕はフレッシュだよ。問題なし。ダカールがうまくいっている時、午後の半ばにはサービスパークに戻っている。かなりいいダカールになったよ。砂丘で寝ることもなかった、毎晩しっかりベッドで寝ていたよ。そんなに疲れていない、ただ違ったものに切り替えようとしているところだ」

―プーマ、そしてハイブリッド・システムへの切り替えについてどう思いますか?使いこなしていくのは大変ですか?

ローブ:「クルマはかなりパワーがある。それについてはセブとティエリーがもうすべて言ってくれた。短時間においてはさらなるパワーは得られるが、(フル)パワーでは安定していない。いつパワーが必要になるのかを予測していかなければならない。少し重くなっているのと、センターデフが無くなってまたマニュアルシフトに戻っている。速くなるのか、遅くなるのかは分からないがクルマのフィーリングはかなりいい。低速コーナーでは少しアンダーステアが出るも、バランスはとてもいいようだ。ここに来られて嬉しいよ」

―こうしたコンディションは今までに見ていますか?

ローブ:「これほどドライなのは…ないと思う。チュリニを、道路脇に雪もないような完全なドライな状態で走ったという記憶はないかもしれない。ソフトタイヤで走るターマックラリーのようだね」

―もっと多くのイベントを走ることになりそうですか?

ローブ:「それについては全く分からない。可能性としてはある。とりあえずここで話せるのは1戦についてだけで、さらなるラリーとあれこれ話をするのはまた後だ。一度に(すべてのプログラムを)まとめるのもあまりに複雑過ぎたから、その他については後で話し合うことになる」

―あなたはもっと走りたいですか?

ローブ:「イエスだけど、それと並行して何をやっていくのかまだ分からない。エクストリームEとあるいはラリーレイド世界選手権、僕は15レースもやりたくない、どこかで妥協していかないとね」

(フロアからの質問)
―新しいコドライバーについて、もう少し詳しく教えてください。なぜ彼らを選んだのですか?彼らは何が得意ですか?また、レッキの様子はどうでしたか?

ローブ:「ダニエル(・エレナ)以外で、僕が最も一緒に走ったコドライバーだ。ダニエルが来なかったテストセッションが何度かあり、彼女が僕と一緒にドライブした。彼女は僕のペースノートをよく知っているし、彼女が一緒なのは慣れているから、他を探すこともなかった。彼女はラリーに対して情熱的で、僕の友人でもあるので、きっと喜んで一緒に来てくれるだろうと思った」

オジエ:「僕も似たような話だ。彼(=バンジャマン・ヴェイヤス)とは過去に最も一緒にテストしていたので、ジュリアン(・イングラシア)がやめると決めたとき、彼の名前が最初に頭に浮かんだ。とは言え、テストとレースでは別の仕事なので、彼はステップアップし、少しプレッシャーを感じているようだ。彼をリラックスさせられるよう努めるよ。仕事をする最善の方法は、プレッシャーについて考えないようにすることだ」

―システロンは、唯一のスノーとアイスのステージです。タイヤ選びは賭けになりますか?

ヌーヴィル:「セブが、彼の選択を僕たちに教えてくれるはずだ!」

オジエ:「タイヤ選択について話すことは常に難しい。このステージではスリックタイヤ以外が必要となることは明らかだが、でも、どうなるか見てみないと。雪が部分的に消えるかもしれないしね。それにこのステージは2つのドライのステージとつながっているので、僕たち全員がどこかで4本のスリックタイヤを装着することになると思う!」

―オジエ、あなたのWRCプログラムについて何か情報はありますか?

オジエ:「もうすぐだ。2月の初めにはサーキットプログラムの発表があり、その後、ラリープログラムについても少しお話できるようになると思う」