WRC2025/01/27

ラリー後会見「幸運の星が僕に味方してくれた」

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―セブ、優勝おめでとうございます。ラリー・モンテカルロでの10回目の優勝を果たしました。特別な勝利です。あなたの表情からもその感動が伝わってきました。この瞬間を一言で表すとどうですか?

セバスチャン・オジエ:「この瞬間を言葉にするのは難しいが、今は本当にこれ以上ないほど幸せだ。この話はよくするけれど、ラリー・モンテカルロは僕にいつの日かラリードライバーになりたいという夢を与えてくれた特別なイベントだ。子供の頃から毎年観戦していた。僕のドライバーとしての始まりは、2009年にモンテカルロに初挑戦して優勝したことだった。当時は本当に夢が叶ったような気分だった。でも今、今回で10回目となるこの大きなトロフィーを手にできて、2009年のときと同じくらい幸せだ。今はこの瞬間を大切にしたいし、この勝利を存分に楽しみたい。キャリアの始まりよりも終わりに近づいているのは確かだけれど、こういう瞬間はどれも本当に特別なものだ」

―「終わりに近づいている 」と仰いました。たしかに10回目の優勝を達成した今がやめるにはいいタイミングなのかもしれません。しかし、世界中のラリーファンを代表して言わせてください。「ノー」と。セバスチャン・オジエがいないラリー・モンテカルロなんて考えられません。

オジエ:「ありがとう。本当に、週末を通して応援してくれた皆に感謝している。素晴らしかったよ。特にここギャップは、僕の故郷で、何千人ものファンが僕を応援してくれるのを感じられるのは特別なことだ。毎年、彼らは僕がまた勝てると信じていて、僕の肩に大きなプレッシャーをかけてくる!でも今のところ、それはうまくいっているようだ。今週末は幸運の星が僕に味方していると感じる瞬間が何度もあった。以前、僕の叔父が残念ながら1年前に亡くなったことを話したが、僕は彼と一緒にモータースポーツを始めた。きっとこの週末も彼が(天国から)僕を見守り、幸運を運んできてくれたのだと思う。彼も今、僕のことをとても誇りに思ってくれていると確信している。この先、あと何回ここに来られるかわからないけど、今はただこの瞬間を楽しみたい」

―ヴァンサン、セバスチャンの隣のシートはどうでしたか?また、あなたにとってラリー・モンテカルロの勝利が持つ意味を教えてください。

ヴァンサン・ランデ:「正直なところ、今はまだ言葉が見つからない。信じられないような成果だ。週末を通して順調だったし、今朝もトヨタが強さを発揮していたとはいえ、これは本当に大きな挑戦だった。今週末の競争は本当にクレイジーだった。僕にとってセバスチャンの横に座ることはかなり大変だったが、彼のことを信じていたし、彼はいつも通りすべてを完璧にコントロールしていた。正直なところ、本当に楽しい時間だったので、もしもラリーがもう一日続くと言われても、喜んで続けるよ」

―エヴァンス、2位おめでとうございます。序盤はラリーをリードしていましたが、惜しくも勝利には届きませんでした。しかし、最後までオジエと素晴らしい戦いを見せてくれました。どのように感じていますか。

エルフィン・エヴァンス:「素晴らしいラリーだったよ!モンテカルロらしい週末だった。ここ数年のモンテも簡単ではなかったけれど、今回はさらにチャレンジングだった。ある意味、モンテカルロらしいコンディションに戻れたのはよかったけど、同時にストレスも大きくなったし、タイヤの選択も複雑になり、作業も増えたけれど、結果には満足している。今日ポイントを追加できたことは重要だ」

―今朝のタイヤチョイスはおそらくこの週末で最も難しい決断だったかと思います。しかし、最終的には上手くいきましたね。日曜日に5ポイントをフルに獲得した最初のドライバーとなりました。おめでとうございます!

エルフィン:「そうだね、最終的には上手くいった。でも正直に言うと、スタッドタイヤを4本履いてサービスを離れるときには、大きな不安があった。だが幸いなことに、チュリニ峠は当初僕たちが心配していたほど早く乾かなかったので、そのおかげで競争に残ることができた。一時はアドリアンが逃げ切るかと思ったが、なんとか持ちこたえることができた」

―セバスチャンがシーズンにフル参戦していない今、あなたはモンテカルロで2位だったにもかかわらず、スウェーデンで一番手出走となる可能性があります。それについてはどう感じていますか?

エルフィン:(オジエに笑いかけながら)「そうだね、基本的には美味しいケーキを食べたなら、その代金を支払わないと」

―セバスチャンはあなたを助けるためにスウェーデンに参戦してくれるかもしれませんね!(笑)

―アドリアン、ヒョンデでのデビュー戦はこれ以上にないものだったと思います。表彰台という素晴らしい結果はとても嬉しいものでしたね。

アドリアン・フールモー:「最後にとても満足できるラリーになって良かったし、この4日間を通しての戦いにも満足しているよ。大きなプレッシャーの中しっかりと状況を安定させていく必要があった。今週末はドラマもなく、アレックスとともに成し遂げた仕事には満足しているよ。そして、グラベルクルーが本当にいい仕事をしてくれた。彼らのことを忘れてはいけない、特にこのモンテカルロでは本当に重要だからね。モンテカルロといえば、そう、僕にとってモンテカルロで表彰台に上がるということはちょっとユニークなものなんだ。2019年にRally2カーでWRCに参戦を始めた時にここで初めて表彰台を獲得したんだ。そして今回、ヒョンデに来てから、初めてのラリーで最初の表彰台を獲ることができたのは本当にユニークで特別なことだ。もちろん、今朝はあのタイヤ選択でうまくいけば優勝できればいいなとは思っていたんだけど、どうやらチュリニは僕が望んでいたよりもちょっと多めに雪を残したかったみたいだ。だからもっと良くなることも考えられたけど、それでも本当にいい戦いができたし、それを見ていた観客にとって、本当にエンターテイメントだったことは間違いないと思う」

―素晴らしい戦い、最高のエンターテインメントでした。あなたも言っているように、チームにもクルマにもこれほどすぐに馴染めたことに驚きはありますか?グローブをはめるくらいに馴染んでいるように見えます。

フールモー:「それは本当にいい感じで、クルマにはかなり速く適応できていた。でもまたチームが僕を適切なコンディションを与えてくれたということがある。まずは12月にデヴォリュイでラリーを走ったんだけど、ここはモンテのステージに似ている感じだった。それからフィンランドにも行って走っている。だから、初めて彼らとともに参戦するWRCイベントでいきなりにクルマを走らせるという感覚ではなかったのは確かだ。とてもポジティブな状況だ、ありがとう」

―では最後にトヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチーム代表のヤリ-マティです。シーズンの開幕をこれ以上にないくらいの、トヨタの1-2で飾ることとなり、大満足ではないでしょうか?そして、神経をつかいましたか?

ヤリ-マティ・ラトバラ:「ああ、本当に嬉しいよ。チームとして60ポイントを獲得することができた。この週末で得ることができる最大限のポイントを彼らはもたらしてくれた。だからこれ以上にないスタートになった。でもやはり、とても神経を使うことが多くて大変だったよ。特に今朝はタイヤ選択をいろいろ悩んでいたけど、最終的にはうまくいったと思う、彼らの走りでそれがはっきりした。でもまた、今朝の最初のステージでは2台を失ってしまっている。それにますますハードにプッシュしているアドリアンとの戦いがあって、最終ステージ、チュリニでのエルフィンのあの瞬間は、滑り始めたのを見ながら、そこから壁にぶつかって、そのまま道路の反対側まで転がっていくという映像が心の中で見えていたけど、幸いにもそれは起こらなかった。だから、時には、最悪の事態を想像するだけで済んで、現実で良くなるのを経験できるという方が良いものだ。でもとにかく、本当にありがたいことに彼らのおかげで素晴らしいエンターテインメントになったよ」

―そして、ここモンテカルロで10回の優勝を達成したセバスチャン・オジエについて一言をぜひ聞きたいところですね。本当に別格ですね。

ラトバラ:「セバスチャンはこのラリーに20代で、30代で、40代になってからも、勝利している。スポーツマンとしてこれほど長い期間、ずっとトップレベルを維持しているということは、他にないくらいすごいことだ。だからこそ、彼は世界王者なんだ。彼は常にポケットの中に何か特別なものを持っていて、ラリーにそれを生かすことができるんだ」

―素晴らしいことです。では、また彼にフルシーズン走ってもらえるよう説得できますか?

ラトバラ:「昨年はそうだったね、彼にもっと、もっと走ってくれるよう説得し始めたからね、だからもしかして、それはわからないよ。いくつかイベントをやってから見ていこうか、彼にまた同じようにラリーを走ってくれってなるかどうかをね」