―エヴァンス、今シーズン最後の勝利を手にしました。あなたにとって2023年は素晴らしいシーズンになりましたね。まず、タフなイベントであったラリー・ジャパンを終えて今の気持ちをお聞かせください。
エルフィン・エヴァンス:「木曜日の夜から長い週末になった。金曜日は難しい一日で、僕たちは大きなギャップを手にすることができた。残念ながらセブがペナルティを受けることになり、その結果、大きなギャップとなったが、難しい天候とコンディションのなかでリードを維持することは大変で、僕たちはそれをなんとかこなさなければならなかった。常に超ナローでパンクやクリップでミスを犯しやすく、緊張を切らすことができないコースだったので、ギャップが大きいことは非常に役立った」
―非常に難しいコンディションの中で、あなたのコミットメントと勇敢さが、この勝利につながりました。とてもスローに感じたと言い続けていましたが、タイミングボードでそのギャップを見て、どう思いましたか?
エヴァンス:「当然嬉しかった。僕たちはただ努力しただけだ。ああいう極端なコンディションでは、自分たちが30秒速いのか、30秒ロスしているのかわからないんだ。そういう場合、いい仕事をしているかどうかを判断するのは不可能だ。土砂降りで滑りやすくなっているところを、試行錯誤しながら進むしかない。今回はうまくいったが、その反対でもわからないものなんだ。極端なコンディションにいると、自分の前や後ろを行く選手は自分よりも多くのヒントをどこかで見つけることができるような気がする。だから、こういうコンディションでは自分を正しく評価することができない」
―スコットはどうですか? 昨年は絆を深めるイベントとなり、あなた方の絆は100%まで強くなったかと思います。今年は満足していますか?
スコット・マーティン:「金曜日は非常に難しかった。ステージの上には大量の水が流れていたし、マシンには2人しか乗っていないので、スプリットタイムについて考える暇さえなかった。僕はただノートを読み続け、ステージ上に留まっていることを願うだけだ。エルフィンが言ったように、最初のステージが終わっても、2つ目のステージが終わっても、誰がもっといい仕事をしているか、そうでないかを知ることはできなかった。でも、本当にチャレンジングな、いいイベントだった。金曜の夜以降、僕たちは順位をキープすることが重要だった。ミスを犯さないようにするのは、あのようなコンディションでは非常に難しいことだ。表彰台にチームのマシンが3台も上がれるなんて素晴らしいよ。ここ日本でそれができるなんて、本当にうれしいことだ。土曜、日曜と、ホームで結果をもたらすというプレッシャーをずっと感じていたことは認めざるを得ない。だから本当に、このような形で、チームメイトや会長たちと一緒に1年を締めくくることができて、本当に満足している。これ以上素晴らしいことはない。チームにとって完璧な結果だ」
―ところで、スコット。
マーティン:「やめて・・・」
―恥ずかしがらないで。木曜日の夜、最初の会見の時に、エルフィンが、スコットは日本が大好きで、カラオケも大好きで、歌うのが好きだと教えてくれました。もし日曜日に優勝したら、あなたのカラオケの定番曲を私に歌ってくれると約束しましたね。
豊田章男TGR-WRT会長:「いいよ、歌ってよ!」
マーティン:(豊田会長を見ながら)「手伝ってもらいますよ!『We are the Champions』なら、みんな知っていますよね。歌いますよ、3、2、1、はい!(マーティン、豊田会長、オジエの3人でサビを熱唱)」
―感動しました。
マーティン:「皆、一緒に歌ってくれてありがとう。そしてあなたも、会場の外じゃなくて、ここでその話を振ってくれてありがとう(笑)」
―次は豊田会長に質問です。トヨタとチームにとって素晴らしい結果ですね。
豊田会長:「予想以上の結果で、素晴らしいチームだ。そして私にとって問題なのは、前回あなたのインタビューを受けたときは、シャンパンで酔う寸前だったが、今回は日本酒で酔っ払いそうなことだ。本当に素晴らしいチームで、みんなに感謝している。チームの誰もが勝利が可能で、彼らは負けるのが嫌いなので公平な競争となり、だからこそ我々に笑顔と元気を与えてくれる。このチームに本当に感謝している。ありがとう」
―では、セバスチャン・オジエにお話を聞きたいと思います。セブ、総合2位ですね。スタートの時に言っていたように、このイベントは天候の影響で100%難易度があがりました。雨が降り、それだけではなく、今日は雪も降りました。最終日のコンディションにどれほど驚きましたか?
セバスチャン・オジエ:「この週末は驚かされてばかりだったと思う。金曜日は難しいスタートになると予想していたが、まったくその予想どおり、非常にタフで、僕たちも含め、多くのドライバーがミスをしたりタイムロスしていた。序盤は残念ながらそうだったけど、レースの中でわりと早い段階で、僕たちがチームに1-2-3という結果をもたらすことができる強力なポジションにいること気づいた、そして差も大きく広がっていた。だからこの瞬間、このラリー勝つためのモチベーションを置いておいて、とにかく3台ともゴールまで持ち帰って、社長に喜んでもらおうと、それ集中しようということがはっきりした。そしてチーム全体にとって本当に嬉しい重要な結果だと思う。ホームで勝つことがどれだけ難しいか、僕は以前別のチームで経験してきたけど、フォルクスワーゲンがドイツで優勝を果たしたときも、もっと時間が必要だった。今回はイベントの2年目で達成することができた、すでに。それも1-2-3でね。だから素晴らしいよ。今夜はそれを祝って一杯でも2杯でも、祝杯をあげることになると思う」
―それはいいですね。ではちょっと変な質問になるかもしれませんが、1-2-3の状態になった時のこと、それを保っていくことはどれくらい難しかったですか?基本的にお互いにバトルしているわけではなく、戦っていない状態で、絶対的にプッシュしていない時の方が、時には難しかったりしないですか?
オジエ:「そうだね。そのギャップを管理していくことはもちろん、決して簡単なことではないし、このコンディションの中ではさらに難しい。エルフィンも言葉もあるけど、このように非常に滑りやすくてトリッキーなコンディションでリズムを管理するのはとても難しい、だから僕たちは週末を通して、プッシュしすぎることなく、まずまずのリズムをキープできていたと思う。でもタイヤ選択ははっきりすることはまったくなかったし、2つのステージが続けて同様のコンディションになったこともなかった、ずっとタフなイベントだった。だから今夜、こうしてここにいることができて本当に嬉しい、特にこのポジションでね」
―セブ、ありがとうございます。
―では次はカッレ・ロヴァンペラ、最後に今年のワールドチャンピオンに聞きます。1-2-3ですが、これをホームで達成できたことは、さまざまな意味で、また新たなシーズンに向けて前進していくチームにとってどれくらい特別なことですか?
カッレ・ロヴァンペラ:「そうだね、確実に、チーム全体にとって、この素晴らしい一年を、こういう形で締めくくることができたことは本当に特別としか言えない。表彰台に上った3台のクルマと、その前にいるチーム全体の姿を大スクリーンで見ることができるなんて本当にすごいよ。こんな難しいラリーだったからなおさら格別だ」
―本当に難しかったですね。そしてあなたが、昨シーズンこのラリーが自分には合っていないと感じて、大きな期待はしていないと、セントラル・ヨーロピアン・ラリーの時に言っていたことを覚えています。それでも本当に難しいコンディションの中でこうして表彰台に上がることになりました。満足していますか? それともやはり、ミスター・エヴァンスが今座っている場所の方が良かったですか?
ロヴァンペラ:「それは、もちろん、いつだって一番になる方がいい、それは間違いないよ。でもやっぱり僕にとっては難しい1週間だった。自分のペースを発揮できなかったというか、自分がベストな仕事ができていなかったというか・・・。でも金曜日のコンディションを見てから、確実に何かハプニングが起こるだろうと、とにかく安定させていくしかないと思った。そしてそれが実を結んで、チーム全体で表彰台を獲得することができた。そして土曜日の朝にみんなが言っていたように、必ずゴールまで運ばなければならないんだ、ということが明確になった。だからそれ以上にやるべきことがあまりなかった。はっきり言って、僕は自分自身のパフーマンスについては満足していない」