ランチアの世界ラリー選手権復帰戦として注目となったラリー・モンテカルロのWRC2選手権はいきなりの大惨事で始まることになった。
ランチアのオフィシャルドライバー、ヨアン・ロッセル(ランチア・イプシロンRally2 HFインテグラーレ)は、ウェットコンディションとなった最初のスペシャルステージを好調なスタートで切ったかに見えたが、峠の頂上で悲劇に見舞われることになった。
Y.ロッセルはハイスピードの狭い右コーナーで石壁に右フロントタイヤをヒット、フロントサスペンションの故障によりストップを余儀なくされてしまった。ロッセルは過去3年間連続してモンテカルロのWRC2カテゴリーで優勝を飾っており、今回も圧倒的な優勝候補としてモンテカルロに臨んでいた。
スタート前のセレモニーで彼は、ランチアの復帰を待ち望んできたラリーファンの熱狂を目の当たりにして衝撃を受けたと告白していた。
「観客の情熱を見るのは信じられないほどだった。ランチアの復帰が発表される前は、これほどの熱狂は想像もしていなかった。この興奮は本当に信じられないほどだ」とY.ロッセルは語った。
Y.ロッセルのショッキングなリタイアはあったが、チームメイトのニコライ・グリアジン(ランチア・イプシロンRally2 HFインテグラーレ)はこのオープニングステージでもう一つの衝撃をもたらす。なんと彼は2番手タイムを奪ったエリック・カミリー(シュコダ・ファビアRS Rally2)に4.6秒差をつけるベストタイムを奪い、総合でも7位でスタートすることになった。
だが、グリアジンは雪が融けたあとの滑りやすいコンディションとなったSS2でコースから滑り落ちてリヤをヒット、サスペンションを壊して46秒あまりもロスしてフィニッシュする。「あるコーナーで路面が凍っていてマシンをコースアウトさせてしまった。でも、なんとかマシンを救い出せたよ」
これで首位にはカミリーが浮上、グリアジンは42秒遅れの4位へと後退することになったが、壊れたサスペンションをロードセクションで完全に修理できるかわからない。
ところがSS3はひどい濃霧のため、Rally1カーの途中でステージキャンセルとなり、グリアジンにとってはさらなるタイムロスの可能性から救われることになった。
これで初日トップはカミリー、15.3秒差の2位にはレオ・ロッセル(シトロエンC3 Rally2)、さらに19.1秒遅れでERCチャンピオンのクリス・イングラム(トヨタGRヤリスRally2)が続く展開となっている。
「ヨアンは残念だった。すぐに限界に達するってことがはっきりしたので、僕らは謙虚に行ったことがよかった。明日は130kmの大事な日だ。集中力と謙虚さを失わないようにしなければならない」とカミリーは語っている。