WRC2022/08/04

ロヴァンペラとラッピが母国シェイクダウンで火花

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 2022年世界ラリー選手権(WRC)第8戦ラリー・フィンランドのシェイクダウンが8月4日木曜日に行われ、トヨタGAZOOレーシングWRTのカッレ・ロヴァンペラ(トヨタGRヤリスRally1)が1分56.1秒の最速タイムを獲得、0.5秒差の2番手でチームメイトのエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリスRally1)が続き、二人のフライングフィンがホームイベントで1-2を占めることになった。また勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)も第二のホームイベントでの表彰台に挑むべく4番手タイムで続いている。

 ラリー・フィンランドのシェイクダウンはランナンキュラの4.48kmのステージで木曜日の朝9時からスタートした。前夜から降り始めた小雨によって路面は湿り気を帯びたコンディションとなっており、すべてのドライバーがピレリのソフトコンパウンドタイヤをチョイスしてステージに向かっている。

 シェイクダウンは1回目の走行からロヴァンペラとラッピの戦いとなった。選手権リーダーのロヴァンペラは一番手でコースイン、フロントガラスに雨粒が当たるなかで早くも好調な走りをみせて2分1.2秒のベンチマークタイムを記録、2番手でコースインしたティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデi20 N Rally1)は1kmあたり1秒以上もの遅れるタイムに早くも諦め顔だ。「(ロヴァンペラに)勝つことは不可能だと思うが、いずれ分かるだろう。それでも僕らも自信を持って走れるような良いセットアップを見つけたいね。僕たちはそれを目指してプッシュしていくよ」

 ロヴァンペラのタイムを後続の誰もが上回ることができないなか、8番手という後方からスタートしたラッピが0.9秒差でチームメイトを抜いて暫定での最速タイムを記録することになった。

「素晴らしいフィーリングだよ。去年秋も特別なラリーになったが、あれからもう数ヶ月経ってもうこんなにたくさんの人が集まっている。本当に楽しかったし、今回も良い成績を目標にしている。どうなるだろうね」とラッピは静かに語っている。

 観客に急病人が出たため、シェイクダウンは2回目の走行が始まるころから20分も中断することになったが、大きなインターバルにもかかわらず、ラッピが集中力を途切れさせることなく1分58.0秒の暫定トップタイムをマークする。

 ここで彼と並んで速さをみせたのは、かつてトヨタ時代に2度の勝利を飾っているオイット・タナク(ヒョンデi20 N Rally1)だ。彼は5番手タイムに終わった1回目の走行のあと、「クルマは全くフィーリングがない、複雑な週末になりそうだ。これじゃあトヨタとは戦えないよ」と、チームメイトと同様に早くも敗北宣言とも見えるコメントを発したが、2回目の走行ではラッピと同タイムでトップに並ぶことになった。

 ラッピは3回目の走行でも自身のタイムを1.4秒上回って暫定トップを維持、ロヴァンペラが0.3秒差で続いたが、4回目の走行を行ったロヴァンペラがチームメイトを0.5秒下してシェイクダウンの最速タイムをマークすることになった。

 ロヴァンペラはたくさんの旗を振るファンに勇気付けられたと語った。「もちろん、ホームラリーに来られてうれしいよ。多くのファンが来てくれて、いつものラリー・フィンランドができるからね」

「クルマのフィーリングもいいし、プレッシャーも感じていない。むしろ応援してくれる人たちを見て興奮している。良い週末になるといいね!」

 タナクは3回の走行を行い、ロヴァンペラから0.9秒差の3番手タイムで続き、勝田もタナクから0.4秒差の4番手タイムフィニッシュし、トップ4にGRヤリスが3台入ることになった。「とても興奮しているし、僕のホームラリーだから、楽しんでプッシュしたいと思う。とても特別なフィーリングだけど、楽しみたい。これが一番大事なことだ」と勝田は語っている。

 ヒョンデの若手ドライバー、オリヴァー・ソルベルグ(ヒョンデi20 N Rally1)は1回目の走行ではスピンを喫したものの、2回目では5番手タイム、3回目の走行ではトヨタのエルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)と同タイムで並んで6番手タイムで続いている。

 クレイグ・ブリーン(フォード・プーマRally1)がMスポーツ・フォード勢のトップとなる7番手で続き、リヤのスライドに苦しむヌーヴィルは8番手タイムにとどまっている。

■フィンランド・シェイクダウン結果(P1)
1. K.ロヴァンペラ(トヨタ)1m56.1s
2. E.ラッピ(トヨタ)+0.5s
3. O.タナク(ヒョンデ)+0.9s
4. 勝田貴元(トヨタ)+1.3s
5. E.エヴァンス(トヨタ)+1.6s
5. O.ソルベルグ(ヒョンデ)+1.6s
7. C.ブリーン(Mスポーツ・フォード)+2.0s
8. P-L.ルーベ(Mスポーツ・フォード)+2.4s
9. T.ヌーヴィル(ヒョンデ) +2.4s
10. A.フールモー(Mスポーツ・フォード)+2.7s
11. J.フットゥネン(Mスポーツ・フォード)+3.1s
12. G.グリーンスミス(Mスポーツ・フォード)+4.2s