RallyCross2016/10/03

ローブ、雨のラトビアで世界RX初優勝を達成

(c)FIAWorldRallyCross.com

 9度ワールドラリーチャンピオンに輝いているセバスチャン・ローブが、ラトビアで行われていた世界ラリークロス選手権で初優勝を飾った。

 チーム・プジョー・ハンセンのプジョー208 WRXを駆ったローブは、雨となった最終日、Q4でトップタイムをマークするなど、泥でぬかるんだトリッキーなコンディションなかで圧倒的な速さをみせ、予選5位で進出したセミファイナルでも予選トップのヨハン・クリストファーソン(VWポロ RX)をしのぐスピードでファイナルへと勝ち抜けることになった。

 ファイナルレースのポールポジションは、Q2でペター・ソルベルグと接触しながらも予選4位で勝ち上がってきたEKS RXチームのマティアス・エクストローム(アウディS1 RX)。しかし、フロントローから見事なスタートを決めて1コーナーでトップを奪ったのはローブ。彼はまるで氷のように滑るグラベルとターマックのステージでただ一人52秒台のラップタイムを叩きだし、エクストロームでさえまったく追いつけないスピードを発揮する。

 ローブは5ラップ目のジョーカーも無難にこなして、2.3秒以上もエクストロームを引き離してフィニッシュ、フル参戦1年目にして世界RX初優勝を飾ることになった。

「素晴らしい週末になったね。世界ラリークロス選手権は雨によってフルウェットの難しい週末となったが、僕にとってはそれも味方することになった。ラリーでも雨によって泥が出たターマックやスリッパリーなグラベルをいくつも経験している。それらが役に立ったね。とても満足しているよ」

 スタートでやや出遅れたあと、堅実な走りで2位を守りきったエクストロームは、これで選手権のリードを27ポイントへと拡大することになった。3位にはティミー・ハンセン(プジョー208 WRX)、4位には予選初日トップだったフーニガンレーシングのアンドレアス・バックルド(フォード・フォーカスRS RX)が続き、昨夜の食中毒のためにふらふらになりながらもクリストファーソンが5位でフィニッシュすることになった。

 クリストファーソンは、選手権でソルベルグを抜いて3位へと浮上、セミファイナル進出を逃したソルベルグはランキングトップのエクストロームから34ポイント差と大きく躓くことになってしまった。

 ロシアのティムール・ティメルジャーノフ(フォード・フィエスタST)はスタート直後の混乱でコースオフ、マシンをストップさせることになってしまった。

 また、世界ラリークロス選手権デビューが注目されたジジ・ガリ(KIAリオ・スーパーカー)は一度も大きな問題に見舞われることはなかったが、予選20位でセミファイナルを逃すことになっている。