Raid2022/10/26

ローブ、W2RC最終戦で優勝するもタイトルを逃す

(c)RedBull Content Pool

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 セバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンター)は、世界ラリーレイド選手権(W2RC)のシーズン最終戦であるアンダルシア・ラリーで、バーレーン・レイド・エクストリームにとって初となる優勝を飾ったが、トヨタGAZOOレーシングのナッサー・アル‐アッティーヤ(トヨタGR DKRハイラックス)が世界選手権初年度のワールドタイトルを獲得した。

 アンダルシア・ラリーの2日目は悪天候の影響を受け、ステージ2がキャンセルされた。それによってラリーは規定距離である900kmに達しなかったため、主催者はハーフポイントの付与にとどめた。

 2日目はローブにとって反撃のチャンスであり、アル‐アッティーヤが1日目にそうしたように大きなリードを奪うことを目指していた。しかし、金曜日の朝、天候が急変、早朝に雨が降ったことで雲が上空に低く垂れこめて霧が発生していたため、安全上の理由からヘリコプターが飛び立つことができなかった。ステージは2度の延期を余儀なくされ、最終的にはキャンセルされた。

 ローブにとって落胆は明らかだったが、彼はハーフポイントの付与が決定する前から、アル‐アッティーヤからW2RCの王座を奪える可能性は低いことを知っていた。前戦のラリー・デュ・マロックでローブはパワーステアリングの破損でリタイアとなっており、最終戦ではアル‐アッティーヤに同等のトラブルが起きるしか、逆転タイトルのチャンスはなかったのだ。

 ローブは最終日をアル‐アッティーヤより遅いタイムでフィニッシュしたが、その差僅か6秒で逃げ切ることになった。すでに前戦ではゲラン・チシェリがカスタマーチームであるGCKチームのプロドライブ・ハンターで優勝していたが、BRXがチームとしてラリーレイドで初優勝を飾った。

「バーレーン・レイド・エクストリームに世界ラリーレイド選手権初勝利をもたらすことができて最高の気分だ。2020年からこの勝利を得るために努力を重ねてきた」とローブは語った。

「ナッサー・アル‐アッティーヤとの戦いは常にとてもタフだった。このステージではずっとハードにプッシュしていたが、それでも最終的に6秒しか離れていなかった。このようなトリッキーなステージのラリーで素晴らしい戦いだったと思う」

「シーズンを通してプロドライブ・ハンターで良いパフォーマンスを見せることができた。スピードはあるので、前のラリーでの不運さえなければ、よりタイトルに近かっただろう」