RallyCross2020/11/26

世界RX最終戦が中止、クリストファーソンが王者に

(c)FIAWorldRallycross.com

 12月12〜13日にドイツのニュルブルクリンクで開催される予定だった世界ラリークロス選手権の最終戦は、新型コロナウイルスの感染拡大への不安があることから主催者がキャンセルを決定、スウェーデンのヨハン・クリストファーソンが3度目となるドライバーズタイトルを獲得、KYBチームJCが初のチームタイトルに輝いている。

 今季の世界ラリークロス選手権は新型コロナウイルスのパンデミックによって開幕が遅れ、8月にスウェーデンでやっとシーズンが開幕したあと、フィンランド、ラトビア、スペインとそれぞれダブルヘッダーで8ラウンドが行われてきた。先週末にベルギーのスパ-フランコルシャンで世界ラリー選手権のイープル・ラリー・ベルギーと併せて開催される予定だった第9戦が国内での健康不安が続くことから中止となっていた。

 ニュルブルクリンクの最終戦を前にしてクリストファーソンは選手権のライバルであるマティアス・エクストロームに対してすでに27ポイントをリード、ここで獲得できる最大30ポイントのうち3ポイントを獲得すれば王者が決まるという状況だったが、シーズンが全8戦で終了することになったため、タイトル獲得に必要なイベントが開催されたためクリストファーソンが2年ぶり通算3度目のドライバーズチャンピオンに輝き、2016年以来の王者を目指したエクストロームは惜しくも2位でシーズンを終えている。

 元王者のティミー・ハンセンは、前戦のスペインでのダブルヘッダーでの勝利により、ドライバーズランキング3位となっており、ニクラス・グロンホルムは4位でシーズンを終えることになった。

 チーム選手権は、エクストロームを起用したKYBチームJCが8月末にスウェーデンで開催された開幕戦から選手権をリードしてきた。ジョエル・クリストファーソンが運営するKYBチームJCは、EKSが製作したアウディS1とともに初めてのフルシーズンの挑戦となったが、短いシーズンのなかで初めてチーム選手権のタイトルを獲得した。

 スーパーカー・カテゴリーは、シーズンの残り2戦が相次いで中止となったものの、全8戦の開催によってタイトルが成立となったが、ヨーロッパ・ラリークロス選手権のスーパーカーとスーパー1600は、共に2ラウンドしか開催されておらず、両シリーズともに第3戦と最終戦がニュルブルクリンクで開催される予定だったため、FIAの要件を満たすだけのポイント獲得イベントが行われておらず、チャンピオンの誕生がないままでシーズンを終えることになった。

 なお、10月初旬に明らかになったように、世界ラリークロス選手権の現在の商業権保有者であるIMGが今シーズ終了時にシリーズから撤退することを受けて、FIAは2021年以降の新しい選手権プロモーターを任命するために努力しているが、ラリークロスのトップレベルの将来は依然として不透明なままだ。