Raid2024/01/07

伏兵トヨタのド・メヴィウスがダカール初リード

(c)RedBull Content Pool

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 ダカール2024は、1月6日に第1レグが行われ、オーバードライブ・レーシングのギヨーム・ド・メヴィウス(トヨタ・ハイラックスT1+)がアルティメットクラスでは初となるステージ優勝を飾ってラリーをリードするという衝撃の展開となった。

 第1レグはアル・ウラからアル・ヘナキヤへと向かう414kmのスペシャルステージ。金曜日のプロローグを終えてトップとなっていたマティアス・エクストローム(アウディRS Q E-TRON E2 T1U)が序盤をリードすることになった。

 エクストロームは170km地点の第4チェックポイントまでに後続に2分以上のリードを築いたが、チームメイトのカルロス・サインツ(アウディRS Q E-TRON E2 T1U)が後方から好ペースで追い上げる。サインツは第5チェックポイントと第6チェックポイント間の56kmでエクストロームに8分の差をつけてその53秒差へと迫ると、次の第7チェックポイントまでにエクストロームがトラブルで大きく遅れたため、サインツがトップに躍り出してこのままリードを奪ってフィニッシュするかに見えた。

 しかし、この日を32番手につけていたド・メヴィウスもまた驚くべきペースでサインツの43秒後方に迫っており、彼は第8チェックポイントまでにサインツをパスするや、最終的に1分44秒差をつけてトップでフィニッシュすることになった。

「素晴らしい序章だった。スマートな走りでパンクを避け、それが今日の鍵だったと思う。でも、これほど上位でフィニッシュできたことには驚いているよ。全体的にはうまくいっているし、マシンは素晴らしく、扱いやすい。クサヴィエ(・パンセリ、ナビゲーター)ともうまくいっているし、クルマのなかではとても落ち着いている」とド・メヴィウスは語っている。

 3番手タイムでフィニッシュしたのはトヨタGAZOOレーシングのジニール・ド・ヴィリエ(トヨタGRダカールハイラックスEVO T1U)。終盤の追い上げによって7位から3位へと浮上してみせた。

 4位にはヴァイドタ・ザラ(MINIジョン・クーパー・ワークス4x4)、レベリオン・レーシングから出場する元ル・マン24時間ウィナーのロマン・デュマ(トヨタ・ハイラックスT1+)がトップ5入りを果たした。

 序盤をリードしたエクストロームは14分20秒遅れの9位で第1レグを終えている。

 プロドライブ勢にとっては厳しい初日となってしまった。初優勝に挑むはずのセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンターT1+)と昨年の覇者であるナッサー・アル-アッティーヤ(プロドライブ・ハンターT1+)はともにステージ序盤からトップ集団に遅れをとり、開始わずか87kmでトップ10圏外に後退してしまった。2台はステージが進むにつれてさらにタイムを失い、多くのドライバーが順位を上げる中、ローブは18位に留まったが、残り11ステージで22分47秒の遅れを取り戻さなければならない。

「時速30kmで石の間をスラロームするのは、僕らの楽しみ方じゃない。それに問題がなかったわけではない。一度パンクしたし、サスペンションアームも交換しなければならなかった。そのせいで25分もかかってしまったけど、僕らはここにいる。とにかくこれ以上のパンクは避けたいね」とローブは語っている。

 トヨタからプロドライブに移籍後、初のダカールとなったアル-アッティーヤはさらに苦戦を強いられ、24分47秒遅れの21位となっている。「最初の50kmで2回もパンクしてしまったので、その後はアタックすることができず、ただフィニッシュを目指した。最後の150キロは本当に苦しかったし、ゆっくり走るしかなかった」とアル-アッティーヤは為す術がなかったと訴えた。

 ダカール優勝記録保持者のステファン・ペテランセル(アウディRS Q E-TRON E2 T1U)も32分あまりも遅れた24位で初日を終えている。

 日曜日の第2レグは、アル・ヘナキヤからアル・ドゥワディミまで438kmの今大会初の砂丘のステージが待ち受ける。