WRC2023/09/22

勝田、ギリシャでは貴重な教訓を得た

(c)Toyota

 勝田貴元は、今月のEKOアクロポリス・ラリー・ギリシャで、トヨタGRヤリスRally1の性能を最大限に引き出すための貴重な教訓を得たと語った。

 世界ラリー選手権の第10ラウンドに臨むにあたって、勝田は山火事の危険度が高まったことで事前のテストを実施できず、さらにギリシャ中部に降った大雨の影響でシェイクダウンもキャンセルされたため、まったく準備ができないままでラリーに臨むことになった。しかし、そうした不利な条件やひとつのステージで2度のパンクに見舞われるなどのトラブルがあったにもかかわらず、勝田は総合6位でフィニッシュし、多くの学びを得たと語った。

 勝田は、ライバルに匹敵するスピードを出すのに苦労していた2022年と比べて、ペースが上がったことに最も満足している。

「昨年に比べれば、ペースはずっと良かった。自分のパフォーマンスに完全に満足はしていないが、こういったラリーでどこを改善すべきか知ることができた。良かった点も悪かった点もあり、これは今後の糧になるだろう」と勝田はwrc.comで語っている。

「(プレテストもシェイクダウンも無く)いきなり最初のステージに入るのは僕たちにとって大きな挑戦だったが、最後まで走りきることができた。素晴らしい仕事をしてくれたチームに感謝したい」

 トヨタGAZOOレーシングWRTのスポーティング・ディレクターを務めるカイ・リンドストロームは、勝田のパフォーマンスに感銘を受けたとし、次のように付け加えた。

「彼はラリーが始まるまでマシンを試せなかったのに、見事なドライビングで素晴らしい仕事をしてくれた。土曜日の同じステージで2度のパンクに見舞われたことは残念で、それさえなければもっと上位で終えていただろう。それでも総合6位という結果は、本当によくやったと思うし、次のラリー・チリも期待することができる」

ピレリのマリオ・イゾラのコメント)
「我々が最後にWRCマシンに供給していたのは2010年だったので、かなり長い期間が経過して(2021年から)WRCに復帰するには、この期間(4年間)は相応しかったと信じている」

「10年間を経て、WRCの最高峰で我々のブランドを披露するには、この期間に戻ってきたのは良いことだった。今後は他の方法に集中したい」

モータースポーツの選手権に参加できる期間は限られているのか、と質問され、彼はこう答えた。「すべての選手権は異なる。F1では、ブランドと選手権の間に結びつきを持たせるためには多くの時間が必要だろうし、それは恐らく観客が異なることもその理由だ」

「ラリーには非常に情熱的なニッチな観客がいる。4年間あれば、基本的に何でも彼らに伝えることができる」