トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームの勝田貴元は、ラリー・モンテカルロの最終日、ペースノートになかったアイスでコースオフ、無念のリタイアとなってしまった。
勝田はラリー・モンテカルロを発熱による体調不良のなかでスタート、なかなかパフォーマンスを発揮することができなかった。それでも土曜日にはベストタイムを奪ってやっと期待されていたペースをみせることになった。だが、最終日の朝、最初のステージで凍結した右コーナーでコースオフを喫してしまい、身動きできなくなってしまった。
体調不良のなかで走った状況を考えれば6位という十分納得のいく結果でラリーを終えるはずだったが、残念ながら1ポイントも獲得することなくモンテカルロを去ることとなった。
勝田によれば、彼がスリップしたコーナーはアイスバーンになっていたが、それがペースノートには記されていなかったと説明している。
「日曜の朝、最初のステージで、かなりトリッキーなコンディションになることは分かっていましたが、ある右コーナーは凍っていて、ペースノートにその情報がなかったんです」と勝田は説明した。
「コーナーへの進入はかなりスローだったが、マシンは大きくワイドになってしまい、(民家の)生け垣にはまり、続行することができなかったんです」
モンテカルロでは、ルートノートクルー、いわゆる アイスノートクルーが重要な役割を果たす。アイスノートクルーは、ドライバーたちより3時間も早く、5時前にコースをチェックしたため、凍結したセクションやグラベルや泥が路面にかきだされている箇所をマークする。しかし、モンテの場合、それから3時間で路面がさらに凍結することもあえば、アイスが融けることもあるため、運を委ねなければならないときもある。
勝田はこのステージのスタート前、ほかのほんどのドライバーがスタッドタイヤ4本を装着しているのを見て驚いたようだ。彼はスタッドを2本しかもっていなかったためだ。だが、彼はそのせいでミスをしたわけでないと認めており、ただアイスノートクルーと凍結のリスクに関する情報に関しては連携不足だったと感じている。
「スタート前に確認したらみんなとはタイヤが異なることはわかりました。ですから、このステージは、スリックとスタッドを2本ずるクロスに装着して走っていました。しかし、ノートに情報があったうえでリスクをマネジメントしながら走り切れていれば間違った選択ではなかったはずです」
勝田は観客の助けを借りて一度は脱出できたが、エンジンが掛からずコースに復帰することができなかった。
「それまではとても良いラリーでした。特に土曜日はペースが良かった」と勝田はモンテカルロでのステージ最速タイムに触れて語った。
「この結果は残念でしたが、次のスウェーデンに集中し、チームのために良い仕事をしたいと思っています」
勝田は昨年のラリー・スウェーデンではヒョンデのエサペッカ・ラッピと優勝争いを繰り広げたが、土曜日にスノーバンクに突っ込んでしまいリタイアとなっており、ふたたび勝利に近づくことが期待されている。