WRC2024/09/05

勝田貴元、アクロポリスのシェイクダウンで最速

(c)Toyota

 2024年世界ラリー選手権(WRC)第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャのシェイクダウンが行われ、勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)が2分39.1秒の一番時計を叩き出している。

 ギリシャのシェイクダウンはサービスパークがおかれるラミア近郊のリガリア・ステージで現地時間の朝9時からスタート、気温はすでに30度を超えており猛暑の週末を予感させることになった。

 完全なドライコンディションで始まったシェイクダウン、3.62kmのコースにはおびただしい砂利が転がって滑りやすくなっており、選手権リーダーとして1番手でコースを走ったティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデi20 N Rally1)はその1回目の走行でロードスイープに苦しみ、暫定トップタイムを奪ったチームメイトのオイット・タナク(ヒョンデi20 N Rally1)から3秒近くも遅れることになった。

 勝田はシェイクダウンの1回目の走行ではタナクから0.4秒差の2番手タイムで好発進、2回目では勝田がヒョンデの3台を抑えて、シェイクダウンのトップタイムを叩き出すことになった。

 今年のアクロポリス・ラリーは、昨年より路面がさらに荒れて岩も多く、試練の戦いになりそうだ。勝田はいいフィーリングで走ることができていることを笑顔で認めつつも、厳しいコンディションでの戦いになることを警戒していた。「僕の望みは生き残ることだ。この気持ちが数日間続くかどうか、見てみよう」

 ステージはスーパードライのためラリーカーの走行によって激しいダストが巻き上げられており、ステージは何度か中断しながら走行が行われている。勝田から0.6秒差の2番手タイムとなったタナクは、明日以降も視界が悪くなるだろうと訴えた。

「すでにシェイクダウンはきわめてトリッキーだ。とくにダストで非常に厄介だ。明日も森のなかでは僕らの視界は厳しくなるだろう。そして路面もラフだ」とタナクは語っている。

 今年のアクロポリスでは巻き上げられたダストだけでなく、荒れた路面からタイヤを守る戦略が重要になるだろう。多くのドライバーが過去2年とは比較にならないほど荒れた路面だと語っているがタナクもその一人だ。「ここ2、3年、天候のことを抜きにすれば、路面はどんどんスムーズになってきていた。でも今年は、いくつかのステージがかなり荒れていて、石が多いのは事実だ。ゆるんだ石も多いので、パンクのリスクは他のラリーよりも高い。週末にどうなるか見てみよう。いいステージも確かにあるが、すべてのループに荒れたステージが混ざっている」

 6月上旬のラリー・イタリア・サルディニア以来の参戦となるダニエル・ソルド(ヒョンデi20 N Rally1)はチームメイトと同様にダストで止まりそうになったと訴えながらも0.7秒差の4番手タイム、ヌーヴィルがさらに0.7秒差の5番手で続いている。

 シェイクダウンの前に来季もヒョンデに残留することが発表されたヌーヴィルは、にこやかな笑みを見せているが、明日の話題になると過酷な試練が予測されるためか、一転して厳しい表情を浮かべている。「パンクのリスクは非常に高いので、この週末で何ができるか見てみよう。僕たちのアプローチは、きちんとした走りをすること、スピードを管理すること、マシンを守ること、そして(パンクを)避けることを祈ることだ」とヌーヴィルは語っている。

 アドリアン・フールモー(フォード・プーマRally1)が5番手タイム、セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリスRally1)はトップから4.4秒遅れの6番手タイム、グレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマRally1)が7番手タイム、エルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)が8番手タイムとなっている。