WRC2023/01/24

勝田貴元がモンテカルロで過去最高の戦い

(c)Toyota

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 トヨタGAZOOレーシングWRTの4台目のGRヤリスRally1を駆って先週末のラリー・モンテカルロを総合6位でフィニッシュした勝田貴元について、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムのインストラクターを務めるユホ・ハンニネンは、過去最高の戦いだったと絶賛した。

 モナコを拠点として厳寒期の南フランス山岳地帯で戦われるラリー・モンテカルロは、基本的にはターマックラリーだが、雪道や凍結区間を走ることも多く、非常に難易度の高いラリーとして知られている。今年は路面にほとんど雪がなく、天気にも恵まれたため大部分がドライコンディションになったが、それでも一部の路面は凍結しており、コーナーのインカットによりグラベルが舗装路面に掻き出され非常に滑りやすくなっているセクションもあった。

 トップカテゴリーのラリーカーでのモンテカルロ出場は今回で4回目となる勝田は、競技初日木曜日の日没後に行なわれた最初のステージで、いきなり4番手タイムを記録して良いスタートを切ったが、続くSS2ではハンドブレーキにトラブルが発生、連続するタイトコーナーで40秒以上のタイムを失い総合9位に順位を下げた。

 それでもクルマに自信を持つ勝田は、翌日金曜日も競争力を発揮、6ステージのうち4ステージで4番手タイムを刻んで総合7位まで順位を挽回、路面にかき出された小石のために難しいコンディションとなった土曜日も安定したペースで総合6位までポジションアップした。

 勝田は最終日となる日曜日のSS17で今大会最高位となる2番手タイムを記録、総合5位につけるオイット・タナクの0.1秒差に迫ることになった。勝田は集中力を高めて最終ステージに臨んだが、サスペンションに不具合が発生したため岩肌に接触、大幅にタイムを失うことになってしまった。

 それでも後方につけるダニ・ソルドにはそれまでに十分なリードを築いていたため、勝田は何とか総合6位をキープ。昨年の総合8位よりもふたつ順位を上げて、今季の開幕戦を走りきることになった。

 勝田は、最終日のトラブルを惜しんだが、グリップレベルの高いターマックではマシンに自信が持ててリラックスして走ることができたとふり返り、今後のシーズンに期待を高めている。

「このラリーを走りきり、シーズンの初戦でポイントを獲得することができて嬉しいです。例年と比べると今年のラリー・モンテカルロは路面のコンディションが安定していましたし、金曜日のステージのようにグリップレベルが高いステージではクルマに自信を持ち、リラックスして走れるようになったと感じました」

「土曜日はコーナーのインカットが多く、路面に多くのダートが出ていたので、僕にとってはかなりトリッキーに感じました。リスクを冒さなければならないところで、少し安全方向に振った走りをしていたかもしれません。そこはまだ改善しなければならない部分ですが、多くを学ぶことができました」

「日曜日は最後のステージでプッシュしたかったのですが、何かが起きて岩壁に当たってしまいました。幸いにも完走することはできたので、もし次回同じような状況になったら、最後まで攻め続けたいと思います」

 勝田のインストラクターとともにアイスノートクルーを務めたハンニネンは、次のように戦いをふり返っている。

「貴元にとって過去最高のラリー・モンテカルロになったことは間違いない。コンディションは今までのモンテカルロほどは難しくなかったが、ターマックラリーで過去一番の走りを、このクルマでできたのは良いことだ。彼はクルマの挙動にも満足しており、それは今後のラリーに向けていい兆候だ。次のターマックラリーであるクロアチアもコーナーのインカットが多く、ダートが路面に出やすいなど今回と同じようなコンディションになる可能性が高いので、セットアップやペースノート、私が彼のグラベルクルーとして作成したマーキングなど、今週末に収集した全ての情報をクロアチア前に分析することが、より良い戦いをするために役立つと思う」


(c)Toyota

 勝田のインストラクターとともにアイスノートクルーを務めたハンニネンは、次のように戦いをふり返っている。

「貴元にとって過去最高のラリー・モンテカルロになったことは間違いない。コンディションは今までのモンテカルロほどは難しくなかったが、ターマックラリーで過去一番の走りを、このクルマでできたのは良いことだ。彼はクルマの挙動にも満足しており、それは今後のラリーに向けていい兆候だ。次のターマックラリーであるクロアチアもコーナーのインカットが多く、ダートが路面に出やすいなど今回と同じようなコンディションになる可能性が高いので、セットアップやペースノート、私が彼のグラベルクルーとして作成したマーキングなど、今週末に収集した全ての情報をクロアチア前に分析することが、より良い戦いをするために役立つと思う」