WRC2025/05/21

強くて速いタナクが帰ってきた

(c)Hyundai

 多くのラリーファンたちが、オイット・タナクがかつての速さを取り戻すことを長く待ち望んでいただろう。そして、ついに先週末、その望みが叶ったといってもいいだろう。全盛期の彼が戻ってきたのだ。

 タナクがラリー・デ・ポルトガルの実質的な勝者であることははっきりしている。週末を通して、彼のペースに匹敵する者はいなかった。セバスチャン・オジエでさえ、タナクの速さに舌を巻いた。オジエがこの週末獲得したポイントはタナクよりわずか1ポイント多いだけだった。

 土曜の夕方まで、タナクは明らかに優勝候補の筆頭だった。しかし、運命がそこに介入した。彼はパワーステアリングを失い、今季初の勝利を失った。

 勝者はオジエだったが、間違いなく、ラリー全体を通して最も力強いパフォーマンスを見せたのはタナクだった。

「初日はまだ不十分だったかもしれないが、昨日と今日は感触が良かった」とタナクは語った。「マシンのフィーリングは良かったし、自分自身プッシュしながらも楽しむことができた。カナリアスの時よりも確実に楽しめたし、久しぶりに、コックピットにいることを心から楽しむことができた。自分の思い通りに走ることができた」

 もちろん、ステアリングの故障は誰にもどうすることもできなかった。技術的トラブルは過去、そしてこれからにおいても、常にモータースポーツの一部であり続ける。彼は2021年にも同じアマランテ・ステージでサスペンションを壊して勝利を失っている。

「非常に残念だが、他に責めるべき人はいない。運のせいでもない。ただ、トヨタに比べて少し脆すぎたのだと思う」とタナクは総括した。

 それでもタナクはポルトガルで27ポイントという価値あるポイントを獲得し、選手権争いでの順位を上げた。彼は現在ドライバーズ選手権4位に浮上し、首位のトヨタのエルフィン・エヴァンスとは34ポイント差となっている。
 
「全般的にポジティブな週末だったことに変わりはないし、それに納得している」とタナクは述べた。

「残念ながら、それでポイントがもらえるわけではない。ある意味、非常に悔しい。負けるのは本当に嫌いだ」とタナクは率直に語った。
 
 次戦は、6月にサルディニアで開催される。トヨタは今季ここまで5戦全戦で優勝を飾っているが、その流れを断ち切る時が来ている。サルディニアでは、タナクがライバルたちよりも有利な出走順となるため、後方から攻める絶好の機会が生まれる。

「その通りだ。とはいえ、今季はトヨタしか勝っていない。だから、巻き返すにはまさにこれが最高のチャンスだ」とタナクは強く語った。