WORLDWIDE2018/04/29

新井がポルトガル選手権で優勝、勝田も3位表彰台

(c)FPAK

 TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムで欧州ラリーに挑戦している新井大輝が、4月27〜28日に開催されたポルトガル・ラリー選手権第3戦のラリー・モルターグアで並みいる地元チャンピオンたちを抑えて優勝する快挙を達成した。

 新井と勝田貴元は5月に行われる世界ラリー選手権第6戦のラリー・デ・ポルトガルのWRC2カテゴリーに出場するため、その実戦トレーニングとしてラリー・モルターグアに出場。二人は昨年もトミ・マキネン・レーシングのフォード・フィエスタR5でラリー・デ・ポルトガルの前にポルトガルの地方戦のラリー・デ・バイアンに出場、新井が優勝、勝田が2位となっていたが、今回は昨年の地方戦ではなく、正真正銘のポルトガル国内選手権の一戦だ。

 金曜日の夜に行われた2つのショートステージを終えて新井が4位、勝田が7位につけてスタートすることになったが、二人は金曜日に本格的なグラベルに舞台を移すや、ペースをアップ、オープニングステージのSS3でベストタイムを叩き出した新井がトップに浮上、勝田も11.8秒差の4位につけることになった。

 続くSS4でも新井は連続してベストタイム、勝田も2番手タイムで続き、二人が総合1-2位を占めるという驚くべき展開となる。

 3位で続くのは2014年ポルトガル王者のペドロ・メイレレス(シュコダ・ファビアR5)、4位につけるのは2017年王者のカルロス・ヴィエイラ(ヒュンダイi20 R5)、そして5位につけるのは4度のポルトガル王者で2度のPWRC王者のアルミンド・アラウジョ(ヒュンダイi20 R5)という錚々たる顔ぶれだ。

 新井はこの状況に動じることなくSS5で3連続ベストタイムを決めて、勝田を抜いて2位に浮上したメイレレスとの差を38秒へと広げて朝のループを終えることになった。

 残念ながら勝田はこのステージで左フロントのパンクに見舞われて4位に順位を落とすことになったが、彼もサービス後のSS6ではベストタイム、SS7では2番手タイムで3位へと浮上することになる。勝田はSS8でも2番手タイムを刻んでメイレレスを捕らえて2位へと浮上、SS7、SS8で連続してベストタイムを奪って勝利を確実なものとした新井に続いてポルトガル選手権で日本人が1-2勝利を飾るかにも見えた。

 しかし、最終ステージで意地の速さをみせたアラウジョがわずか2.6秒逆転、勝田は惜しくも3位に終わることになったが、62秒という大差をつけて優勝を飾った新井とともに勝田は3位ポディウムに立ち、二人は3週間後のラリー・デ・ポルトガルにむけて完璧な準備を終えている。