TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの3期生、松下拓未が18日に行われたフィンランド選手権開幕戦のラリー・クオピオにルノー・クリオRally3で参戦、SM2クラス初出場で初優勝を飾った。また、後藤正太郎はメカニカルトラブルのためにリタイアとなっている。
ラリー・クオピオは、TOYOTA GAZOO Racingの本拠があるユヴァスキュラから150kmほど離れた中央フィンランドのクオピオで8SS/96.4kmで行われた。松下と後藤は昨年までのRally4カーからRally3カーにスイッチ、雪に覆われたステージに初めての4WDラリーカーで挑戦することになった。
残念ながら後藤は最初のステージから電気系のトラブルに見舞われることになり、ミッドデイサービスでリタイアとなってしまったが、松下はオープニング宇テージを3番手タイムでスタートしたあともペースを落とさず、終始トップ3のポジションを争うペースを発揮することになった。松下は2位で迎えた最終ステージで逆転、SM2クラス初優勝を飾っている。
松下拓未:「クラス優勝できてとても嬉しいです。最終ステージを走り終えてインタビューされたときに1位になったことを知りとても驚きました。(その前のステージまでは2番手だったので)2位か3位だと思っていたからです。朝からクルマのフィーリングは非常に良く、ペースノートを信じることができていたので安定した走りができ、常に自分のペースに集中することができました。路面は下のグラベルが出てきていたり、雪が柔らかくなったりしていて、コーナー毎に状況が違って難しいコンディションでしたが、うまく対処できました。Rally3車両にステップアップすることで、Rally4との大きな違いはリアディファレンシャルが加わることだと思っていましたが、実際はトラクション、スピード、パワーがどれもRally4よりずっとあって全く違いました。Rally3は操作しやすく、運転するのがとても楽しいです。次戦が楽しみで、またプッシュしたいですが、冷静さを失わず今後もしっかりと経験を積んでいきたいです」
後藤正太郎:「残念ながら、最初のステージからテクニカルトラブルが発生し、走るたびに状況が悪化してしまいました。チームはお昼のサービスで修復を試みてくれましたが問題は解消せず、SS5を走った後でリタイアすることになりました。Rally3での初戦だったのでとても残念です。4駆のクルマを運転するのは初めてですが、より良いサスペンションで安定感があり、コーナリングもずっと素早くできます。より本格的なラリーカーという感じで自分にとって大きなステップアップです。この変化に早く適応できるよう心がけていて、クルマに乗るたびにフィーリングは良くなっているので、次のラリーでは車両トラブルなく良いラリーができればと思っています」
ミッコ・ヒルボネン(チーフインストラクター):「今回のラリーは彼らにとってRally3での初めてのラリー、初めてのスノー・アイスラリーでしたが、松下にとっては素晴らしい結果となりました。昨年、後藤と松下は状況や物事に素早く適応しうまく対処していたので、次のステップに進む準備ができていると判断しました。Rally3車両のテストもうまくいき、すぐに速くなると思っていましたが、これほど早く結果が出るとは思っていませんでした。今年のフィンランドは雪が少なくスノーバンク(雪壁)があまりないため、ステージはよりオープンで高速になります。そのような状況では迷いのない走りが必要ですが、松下はすぐに適応し、早い段階で自信を持つことができたようです。彼の終始安定した走りとトップドライバーたちにチャレンジする姿勢にも驚かされました。本当に素晴らしいドライビングでした。後藤の車両はスタート時から電気系統に関するトラブルが発生し、非常に残念なことに、一度もフルスピードで走ることができず、結果的に途中リタイアとなりました。この問題を解決し、次戦のアークティックラップランドでは彼がしっかりとチャレンジできるようサポートしていきます」