先週末のラリー・デ・ポルトガルでトヨタGAZOOレーシングWRTのセバスチャン・オジエとコドライバーのヴァンサン・ランデが前戦クロアチア・ラリーに続く今シーズン2勝目を飾ることになり、チームとしては2019年から5大会連続となるポルトガルでの優勝を達成することになった。また、WRCとして開催されたラリー・デ・ポルトガルでのトヨタの通算優勝回数は「8」となり、ランチアとシトロエンが持つポルトガル最多勝利記録に並んでいる。
TGR-WRTの豊田章男会長は、厳しい戦いとなった週末を制したオジエの真のプロとしての仕事を称えるとともに、様々なトラブルに対して冷静に対処したチームの成長をうれしく感じるとふりかえっている。
「セブ、ヴァンサン、2連勝おめでとう! ポルトガルのどんなに厳しいグラベルでも、セブは終始落ち着いた走りを見せてくれました。痺れるような接戦が続いていても 、サービスに戻ってきたセブは、ファンに笑顔で応えてくれていました。なにかトラブルが起きても、エンジニアたちに落ち着いて状況を伝え、クルマをまたコースに戻していってくれました。そして、誰よりも速いタイムでゴールに帰ってきてくれる。そんな“真のプロ”の仕事をしてくれるドライバーがチームにいてくれることを本当にありがたく思います。セブ、今回も、ありがとう」
「ラリーポルトガルでは、他にも“悔しかったこと”と、“嬉しかったこと”がひとつずつありました。悔しかったのは、他の3台が無事には走りきれなかったこと。昨年も優勝はできたものの、他の2台は走りきれませんでした。今年こそは“全車がトラブルなく走り切る”ことを目標としていましたが、悔しい結果となってしまいました。そんな中でも嬉しかったことは「どんなトラブルが起きても、チームが以前より落ち着いていた」と私の耳に伝わってきたことです。今回も様々なトラブルが起きましたが、みんなは常に冷静でいることに努め、解決方法を見出そうとしていたそうです。チームの成長を感じられることを本当に嬉しく感じます」
「メンバーひとりひとりが強くなることでチームは強くなっていきます。チームが強くなることで、GR YARIS Rally1 HYBRIDは“もっといいクルマ”になっていきます。そして、GR YARIS Rally1 HYBRIDが“もっといいクルマ”になれば、他のトヨタのクルマも“もっといいクルマ”になっていきます」
「今シーズン、まだまだ厳しい戦いが続きますが、 チームのみんなと成長を続けていければと思います」
ラリーにはさまざまなハプニングがつきものだが、ポルトガルはエルフィン・エヴァンスのコドライバー、スコット・マーティンがペースノートをタイムコントロールに置き忘れるという、ありえないことが起こった週末となった。それでも、マーティンは、スマートフォンに記録していたバックアップで見事にピンチを切り抜けており、豊田会長はプロとしての仕事に感銘を受けたとふりかえっている。
「追伸:スコットへ 忘れ物には気をつけましょう! 笑 でもバックアップは素晴らしかったね」
「追伸:エルフィンへ 私のコドライバーも忘れ物が多いから気持ちはわかるよ! 僕たちドライバーももっとコドライバーをサポートしていこう! 笑」