Raid2019/01/18

豊田章男社長、ダカール勝者たちにメッセージ

(c)Toyota

 2019年のダカール・ラリーにおいてトヨタGAZOOレーシングSAのナッサー・アル-アッティーヤが、トヨタにとって記念すべき初の総合優勝をもたらすことになった。 トヨタ自動車の豊田章男社長が、トヨタとともに5000kmの道のりを戦い抜いた選手たちにむけて祝福のメッセージを発表した。(以下、メッセージ全文)


2019年のダカールラリーがゴールを迎えました。

毎年、このラリーには、多くの選手がトヨタ車で挑んでくださります。今年も2週間近くに及ぶ5,000キロの道程を、ハイラックスやランドクルーザーが走破しました。トヨタ車を相棒として戦い抜かれた選手の皆様に、まずは労いと感謝の気持ちを伝えたいと思います。お疲れさまでした。ありがとうございました。

ランドクルーザーで参戦したトヨタ車体の「チームランドクルーザー・トヨタオートボデー」は、チームとして市販車部門6連覇を成し遂げられました。また、日野自動車のレンジャーで参戦した「日野チームスガワラ」は、トラック(排気量10リットル未満)部門で10連覇を達成されました。おめでとうございます。

そして、ハイラックスで参戦した「TOYOTA GAZOO Racing South Africa(TGRSA)」はドライバーのナッサー・アル-アッティーヤ選手とナビゲーターのマシュー・バウメル選手がトヨタにとって初めてとなる4輪部門総合優勝をもたらしてくれました。おめでとうございます。そして、ありがとうございます。

TGRSAチームとナッサー選手とは2017年末にスペインでハイラックスを一緒に運転させていただきました。その時、彼らは私に過去に獲得した総合2位のトロフィーをプレゼントしてくれると共に、「次は総合優勝のトロフィーをお届けします」と宣言してくれていました。その約束を、彼らが果たしてくれたこと、大変うれしく思います。

昨年、私は、モロッコの砂丘で行なわれたトヨタ車体チームの事前テストに参加させていただきました。砂丘の運転は初めての経験でした。登りの時は運転席から空しか見えない…、そして、下りの時は波のように流れる砂の上をサーフィンのように走っていく・・・そんな砂の急勾配が続く場所でした。砂漠には、ここを通ればいいという道などありません。それでも走っていけなければ、クルマは道具としての意味を持てません。走れないクルマでは意味がないのです。改めて「道がクルマをつくる」という意味を実感します。

砂にタイヤが埋まり抜け出せなくなることもありました。走れないクルマでは命をも失いかねません。「クルマは人の命を運んでいる」ということも改めて強く実感します。

そんなコースを、競い合いながら、走り抜ける…、極限の環境であるダカール・ラリーを走ってきた各チームは、私どもトヨタグループのもっといいクルマづくりを、大きく前に進めてくださったと思います。

本年も、トヨタグループ一丸となって世界中のさまざまな道を走り、「もっといいクルマづくり」に取り組んでまいります。引き続き、皆さまに応援いただければ、うれしく思います。よろしくお願いいたします。

2019年1月18日
トヨタ自動車株式会社
代表取締役社長 豊田章男