JAPAN2021/03/22

豪雨の新城、新井敏弘が今季初優勝

(c)Takeshi Sakuma

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 2021年全日本ラリー選手権第2戦の新城ラリーが3月20〜21日に開催され、ラリーリーダーの鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)が豪雨となった最終日にクラッシュに見舞われる波乱のなか、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が優勝を飾ることになった。

 今季の全日本は新型コロナウイルス感染症の影響で第1戦のインターナショナル・ラリー・オブ・嬬恋がキャンセルになったことで、第2戦の新城ラリーで開幕を迎えることになった。新城は昨年に続いて無観客での開催となったものの、2台のシュコダ・ファビアR5や4台のトヨタGRヤリスといった新しいマシンの参戦など注目のなかでスタートを迎えることになった。

 オープニングSSとなった舟着ステージでベストタイムを奪ってラリーを引っ張ることになったのは福永 修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5)、0.1秒差で鎌田が2番手で続くことになる。福永はSS2鬼久保、SS3舟着でも連続してベストタイムを奪って、リードを8.7秒へと拡大する。だが、初日最後のステージで福永はタイヤをバーストさせてしまい、ホイールだけとなったマシンでゴールに辿り着くも29.9秒を失って5位へと後退してしまう。

 福永のトラブルで初日を首位で終えたのは鎌田。3.6秒差の2位には福永と同じく今年からファビアR5にスイッチした柳澤宏至/保井隆宏。新井敏弘はセットアップに苦戦しながら5.1秒差の3位、エンジン不調に悩まされながらもディフェンディングチャンピオンの新井大輝/小坂典嵩(スバルWRX STI)が12.1秒差の4位で続くことになった。

 大雨のなかで迎えたラリー最終日、激しい雨が路面にたたきつける難コンディションとなったSS5雁峰北で素晴らしい速さをみせたのは鎌田だ。ダンロップ93Jのレインタイヤにも助けられた鎌田はこの週末初のベストタイム、3番手タイムで2位へと浮上してきた新井敏弘に22.9秒という大差を付けることに成功する。

 だが、さらに雨足が強くなったSS6鬼久保でまさかのドラマが鎌田を待っていた。フライングフィニッシュ手前の高速セクションの下りでハイドロプレーンを起こした鎌田は痛恨のクラッシュ、リタイアとなってしまった。その後、鎌田は、病院での検査の結果、腰椎圧迫骨折と診断され、しばらく療養が必要になることをソーシャルメディアにおいてファンにむけて報告している。

 このステージを終えた時点で、主催者は悪天候による路面状況悪化のため、午後に予定していたSS7およびSS8をキャンセルすることを決定、SS6終了時点で総合首位に立った新井敏弘が今季初勝利を獲得することになった。

 27.3秒差の2位には新井大輝、追い上げた福永が43.9秒差の3位でフィニッシュを迎えることになった。

 また、今季からトヨタGAZOOレーシングに移籍した勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス)はSS1をスタート早々からエンジントラブルとみられる症状を抱えてスローダウンしたあとマシンをストップ、チームメイトも眞貝知志/安藤裕一(トヨタGRヤリス)もSS2のあとでマシンを止めている。

 JN2クラスはヘイッキ・コヴァライネン(トヨタGT86 R3)、JN3クラスは鈴木尚/山岸典将(スバルBRZ)、JN4クラスは西川真太郎/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ)、JN5クラスは大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)、JN6クラスは吉原將大/佐野元秀(トヨタ・ヤリス)がそれぞれ優勝を飾っている。

 全日本ラリー選手権次戦のツール・ド・九州2021 in唐津は4月9〜11日に開催が予定される。