ERC2021/12/19

ERCマネージャーにキャンベルが就任

(c)Wales Rally GB

 WRCプロモーターGmbHは、FIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)の新しいマネージャーとして経験豊富なイアン・キャンベル(写真左)を任命した。彼は2022年1月からイベント、チーム、選手、パートナーと協働して新しいERCの成功のために作業を開始する。

 スコットランド出身のキャンベルは、20年にわたるラリー運営の経験を持つ。直近では、英国選手権のマネージャーとして運営に携わり、2015年からフレッド・ギャラハー(右)に代わってラリーGBのクラーク・オブ・ザ・コースを務めてきた。また、WRCプロモーターのイベントアドバイサーとしてサファリ・ラリー・ケニアの復帰に尽力したほか、WRCラウンドでスチュワードの代表を務めた経験もある。

「2022年に大きな変更を計画しているわけではないが、シーズンが進むにつれて、将来のアイデアにも注目していきたい」と、キャンベルは語った。「WRCプロモーターがERCプロモーターを務める最初の時にこの役割を担うのは素晴らしいことで、始めるのが待ち遠しい」

 2022年からERCでもWRCにならって、各ラウンドの締めくくりにボーナスポイントを支払うテレビ生中継のパワーステージを設けられることについては、すでに明らかとなってきたが、新プロモーターはそのほかにもERCの改革を予定している。

 これまでERCはピレリ、ミシュラン、MRF、ハンコック、ヨコハマがERCのプライオリティクルーにタイヤを供給しており、来季についてもERCはタイヤに関しては自由なままであることが示唆されていた。しかし、来季については、ERC1、ERC3、ERC4のプライオリティを持つクルーは、FIAが指定するサプライヤーのタイヤを使用してラリーに参戦する必要がある。今回のアップデートは、これらのタイヤメーカーのプロモーションを強化するためだ。

 今のところERCでのポイント獲得を目指す選手のタイヤがワンメイクに制限されるような示唆はないが、ヨコハマのような新興のプログラムにとっては、チャンスを狭めることになるかもしれない。

 ここ数年は公道でのウィービングが頻繁に発生していることが問題となっており、ERCでもスペシャルステージに向かう一般道でタイヤを温めるためのウィービングが危険走行として罰金をとられるケースがしばしば発生してきた。ERCを含む2022年のFIAリージョナル・ラリー選手権のレギュレーションでは、ステージインのタイムコントロールとスタートラインの間にタイヤのウォーミングゾーンを設置することが可能になったため、2022年からはこうしたことが少なくなることが期待されている。