2019年ヨーロッパ・ラリー・チャンピオンのクリス・イングラムは、今月末のクロアチア・ラリーを皮切りに、WRC3選手権を6戦戦うことを発表した。
26歳のイングラムは、ベルギーのSXMコンペティションがプリペアしたシュコダ・ファビアRally2エボを駆り、今シーズンのWR3に参戦した後、来年のWRC2ジュニア・タイトルに挑むという。
イングラムは2019年にラリー・ハンガリーでERCのタイトルを獲得して以来、資金やメンタルヘルスの問題から競技を離れ、1年5カ月ほど4輪駆動ラリーカーでの参戦はしていないが、ERC王座をともにしたコドライバーのロス・ウィトックとのコンビでふたたび新しいチャレンジを開始する。
「ここまで本当に厳しい状況が続いてきたが、WRCに挑戦できるのは本当に素晴らしい気持ちだ」とイングラム。
「このチャンスを得るためにすべてを尽くした。2019年11月以来、パワフルなラリーカーをドライブしていないというプレッシャーはあるが、2年間のプログラムであることを忘れないでいきたい。一戦ごとに学び、自分の自信を高め、選手権争いに対応していきたい」
「もちろん簡単にはいかないことはわかっているが、僕のキャリアの中で簡単だったことは一度もないし。僕らにとっては新しいチームだが、ロス(・ウィトック)と僕をサポートしてくれる素晴らしいチームであることに自信を持っている」
イングラムはラリー参戦12年目であるにもかかわらず、世界選手権を8戦しか戦ったことがなく、そのうち母国英国以外で戦ったのはわずか2戦にすぎないが、2年という長期の参戦プログラムのため、プレッシャーを感じることなく挑戦を開始できると考えている。
「もちろん今年参戦を計画しているWRCはすべて僕にとって新しいものだし、世界のベストドライバーたちと対戦することになるが、あまりプレッシャーを感じることなく臨むつもりだ」とイングラムは語った。
「WRCでは経験がとても重要になる。そして、経験を積むためには、スタートした各イベントのゴールにたどり着くしかない。そのため1年目の目標は、冷静さを保ち、愚かなことをせず、できるだけ多くのことを学び、できるだけ多くの距離を走りきることだ。その上でポイントや表彰台を獲得できれば大きなボーナスとなるが、それを最初から狙う必要はないのでプレッシャーはないよ。唯一のプレッシャーは、2年目にトップの成績を残せるようなポジションに自分を持っていくことだ」