モータースポーツの国際統括団体である国際自動車連盟(FIA)は、FIA会長モハメド・ベン・スレイエムが、Mスポーツ会長のマルコム・ウィルソンをFIAスポーツ担当副会長に指名したことを発表した。6月にマカオで開催されるFIA臨時総会における承認を待って正式に決定する。
これまでFIAスポーツ担当副会長を務めてきたロバート・レイドが2週間前、ベン・スレイエム会長の「ガバナンス基準の根本的な崩壊」を理由に同職を辞任したが、FIAはこの発表を正式に行うことがないままに、ベン・スレイエム会長がウィルソンを副会長に指名したことをアナウンスした。
ウィルソンは、1997年からフォードの世界ラリー・プログラムを運営しており、現在はMスポーツのマネージングディレクターを務めている。Mスポーツ社設立以前は、1994年に英国ラリー選手権でタイトルに輝くなどラリードライバーとしても輝かしい成功を残している。
ウィルソンのリーダーシップの下、Mスポーツは2006年と2007年にFIA世界ラリー選手権(WRC)のマニュファクチャラーズタイトルを獲得、2017年には3度目のマニュファクチャラーズタイトルに輝いている。
FIAスポーツ担当副会長は、世界モータースポーツ評議会(WMSC)のメンバーとしてFIAで最も上級の選出職を務め、FIA委員会や各国のスポーツ団体と連携した世界的なモータースポーツ政策の策定、モータースポーツにおける安全性、持続可能性、イノベーションの推進など、幅広い責任を担っている。
FIAのベン・スレイエム会長は次のように述べている。
「マルコム・ウィルソンをFIAスポーツ担当副会長に指名できることを大変嬉しく思います。マルコムは世界的なモータースポーツ界で輝かしい経歴を積んできました。40年以上にわたり、ドライバーとして、またチームのテクニカルパートナーとして、最高レベルの舞台で活躍してきました。彼の経験は、FIAと加盟クラブにとって非常に貴重なものとなるでしょう。私たちは、草の根レベルからプロレベルまで、モータースポーツを発展させ、ファン、ドライバー、そしてチームに利益をもたらす革新を推進していきます」
ウィルソンは次のように述べている。
「1970年代にドライバー、そしてその後チームのテクニカルパートナーとしてモータースポーツのキャリアをスタートさせた私にとって、FIAスポーツ担当副会長に指名されたことは大変光栄です。FIAは私のキャリアにおいて中心的な役割を果たしてきました。会長とFIAファミリーの皆様の重要な使命を支えられることを大変楽しみにしています。モータースポーツにとってこれほどエキサイティングな時代はかつてありませんでした。そして、このスポーツが世界中の家族や地域社会にもたらす恩恵を、私は身をもって知っています。会長の現任期中、共に働き、モータースポーツを新たなファンに届け、すべての競技者にとって最高の選手権を提供できるよう尽力できることを楽しみにしています」