WORLDWIDE2017/10/21

VW、EVマシンでパイクスピーク挑戦へ

(c)VW

 未来の技術を用いたモータースポーツの新しい挑戦として、フォルクスワーゲンは、世界で最も有名なマウンテンレース向けの全電気自動車を開発している。全輪駆動のプロトタイプは、2018年6月24日に開催される米国コロラド州のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムのスタートでお披露目される予定だ。

 マシンの目標は、標高4,300mに位置するフィニッシュラインで電気自動車の新たな記録を樹立することだ。この新しいモータースポーツ・プロジェクトは、世界屈指の電気自動車メーカーへの転換を目指すフォルクスワーゲンのプロセスの一部だ。2025年までに、フォルクスワーゲンブランドは23のEVモデルを市場に投入する予定だ。

「パイクスピークのヒルクライムは、世界で最も有名なカーレースの1つだ。それは非常に大きな挑戦であり、今後の技術の能力を証明するのに最適な場だ」と開発責任者のフランク・ウェルシュは説明した。

「当社の電気レースカーには革新的なバッテリーとドライブテクノロジーが搭載される予定だ。パイクスピークの極端な負荷テストは、我々に今後の開発に役立つ重要な気付きを与えると共に、我々の製品とその技術を紹介する場となるだろう」

 このマシンは、ヴォルフスブルクの技術開発部門と緊密に協力してフォルクスワーゲン・モータースポーツによって開発されている。

「パイクスピークのレースは、我々の新たなスタートだ。我々は、初めて全電気自動車を開発している」とフォルクスワーゲン・モータースポーツ代表のスヴェン・スミーツは語った。

「このプロジェクトは、我々のモータースポーツの新たな門出としても重要なマイルストーンだ。我々のチームはこの素晴らしい新たな挑戦に、文字通り電流が走ったかのように興奮している」

 フォルクスワーゲン・モータースポーツが最後にパイクスピーク・マウンテン・レースに参戦したのは1987年にツインエンジンを搭載したゴルフで参戦して以来のこととなる。

「とっくに再参戦しても良い頃だ」とスミーツは続けた。

「雲へ向かうレース」とも呼ばれるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、コロラドスプリングス近郊のロッキー山脈で1916年以来開催されている。レースコースは19.99kmで、標高4,300mの山頂まで高低差1,440mを登る。電気プロトタイプのクラスの現在の記録は、2016年に米国人ドライバーのリーズ・ミレン(e0 PP100)が記録した8分57.118秒となっている。